2023中間決算はNIM縮小と手数料収入の減少で予想下振れ、不良債権指標も悪化

現地コード 銘柄名
06818

中国光大銀行

(チャイナ・エバーブライト・バンク)

株価 情報種類

2.23HKD
(8/25現在)

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 国務院直属の中国光大集団傘下の中堅商業銀行、中国光大銀行の2023年6月中間決算は、純利益が前年同期比3.3%の小幅増だった。1-3月期の同5.3%増から、4-6月期には同1.3%増に減速し、BOCIの予想を下回った。資金運用残高が安定的に増える半面、純金利マージン(NIM)の縮小が響き、上期も資金利益(純金利収入)は低調。また、役務取引等利益(純手数料収入)は上期に9.4%減少した(うち1-3月期は5.0%減)。6月末の貸出残高、預金残高はそれぞれ前年末比で4.8%増、6.1%増。一方、資産の質は後退し、不良債権比率は上昇傾向を示した。BOCIは続く下期も、低迷する実体経済への支援を迫られる中、純利益の低成長が続くと予想。目標株価を引き下げながらも、現在株価の低バリュエーションを指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2023年上期には資産の質が後退。6月末の不良債権比率は1.3%と、3月末および2022年末の1.25%から悪化した。一方、不良債権引当カバー率(貸倒引当金÷不良債権残高)は188.6%と、ほぼ3月末の188.2%、2022年末の187.9%と同水準で推移した。BOCIは下期の不良債権比率について、6月末並みの1.3%を予想している。

 資金利益は上期に前年同期比3.4%減。銀行セクター全体のトレンドに沿って、NIMが縮小したことが響いた。NIMは上期に1.82%で、2022年比では0.19ポイント低下。BOCIは下期に、さらに0.04ポイントの縮小を見込む。

 投資センチメントの萎縮が響き、役務取引等利益は上期に前年同期比9.4%減。経常収益(売上高に相当)に対する役務取引等利益の比率は上期に17.6%と、前年同期の18.9%から低下した。

 BOCIによると、中国光大銀行のH株は現在、2023年予想PBR(株価純資産倍率)0.27倍と、極めて低水準で取引されている。2023年通期の予想ROAE(平均株主資本利益率)は9.5%と、セクター全体の平均値を下回る数字。一方、2023年の予想配当利回りは9.4%の水準にある。上期業績が予想を下回ったことで、BOCIは2023年予想PBR約0.4倍をあてはめ、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対しては強気見通しを継続した。

 レーティング引き下げにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは中国経済の一段の減速を挙げている。この場合、実体経済への支援をさらに強化するよう、政策面でさらに強い圧力を受ける可能性があるとしている。