4-6月日本のGDPはポジティブ・サプライズ

 日本の景気の強さを再確認させたのが、15日に発表された4-6月の日本のGDP(国内総生産:速報値)です。実質GDP(季調済)は前期比年率+6.0%、名目GDPは同+12.0%の高成長でした。

日本の名目・実質GDPの四半期別成長率推移(季調済・前期比年率):2022年1-3月期~2023年4-6月期(速報値)

出所:内閣府「GDP統計」より楽天証券経済研究所が作成

 特に驚きが大きいのが、名目GDPの伸びです。前期比年率12%増と、瞬間風速にしても高い成長でした。日本国内でインフレ率が高まってきたことが、国民生活には厳しい状態ですが、景気・企業業績・株価には追い風となり始めています。

 日本の2023年(暦年)の名目GDPは、IMF(国際通貨基金)によると5.2%成長と予測されています。バブルの余韻が残っていた1991年以来の高い伸びになる可能性があります。

日本の名目GDP、年別の成長率:1981~2023年(IMF予測)

出所:IMF「世界経済予測」より楽天証券経済研究所が作成

 長年にわたってゼロ・インフレに苦しんできた日本企業にとって、普通に値上げができる経済になった恩恵は極めて大きいです。名目GDPの成長拡大が、今後4~5年にわたり、日本株の追い風となると予想しています。

短期的には調整続く可能性も、長期的には良い買い場と判断

 日本株は割安で長期的には良い買い場を迎えているという判断は変わりません。ただ、短期的には、世界的な金利上昇・中国経済への不安で、日経平均の調整が続く可能性があります。世界的な金利上昇がピークアウトすると予想している秋口まで、世界的な株のスピード調整が続く可能性があります。

 日本株の投資方針は、毎週述べていることと変わりません。時間分散しながら、少しずつ買い増ししていくことが、中長期の資産形成に貢献すると考えています。

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