リーマンショック、株価下落時でも贈られてくる優待品に感激
トウシル:ペリカンさんといえば、優待投資家としても知られているんですが、優待にハマったのはいつ頃ですか?
ペリカン:リーマンショックの時ですね。当時は株価が下がり切っていて、株で利益を出すということがなかなか難しい時代でした。ただ、株価が下がったタイミングで買ったコロワイド(7616)やアトム(7412)などの飲食系銘柄は、株価はイマイチでも、保有しているだけで優待券を送ってくれました。
そこで、優待銘柄っていいなと思ったんです。株取引を頻繁にしなくても、保有しているだけで、コロワイド(7616)なんて年間4万円分もの優待券を送ってくれます。これを10年保有しているだけで、かなりの満足感が追加されますよね。
トウシル:当初は値上がり目的で銘柄を選んでいたけれど、保有することでうまみを実感できる「株主優待投資」に目覚めたんですね。
ペリカン:はい。外食費を節約できるし、家族は喜ぶし、その分投資にも回せるし、と、銘柄を選ぶときに優待を意識して選ぶようになりました。
優待銘柄って、株価としてもそれなりに強くて、私は、エアバッグがついているような銘柄だと思っています。何か悪材料が出た時でも、どこかで踏みとどまってくれて、奈落の底まで落ちることが意外と少ないんですよね。
トウシル:エアバッグ! いい例えですね!
ペリカン:優待銘柄に目を向けるようになってからは、家族のことも考えて投資をするようになりました。今、優待銘柄のトレンドって「地銀(地方銀行)」だと思うんですが、地元の名産物を優待品にしている地銀って多いんです。
私は山口銀行(現山口フィナンシャルグループ/8418)や伊予銀行(現いよぎんHD/5830)の銘柄を長く保有していて、買うと5,000円くらいするピオーネ(ぶどう)や、近隣のスーパーでは見かけない銘柄のミカンなんかをカタログから選べたりするので、これは家族に大好評です。
今日も、妻が子供を連れて友達のところに遊びに行っているんですが、ひろぎんHD(7337)の優待の、八天堂のくりーむパンをお土産に持っていきました。
トウシル:「家にあったから」って言えば、もらうほうも気軽にもらえますよね。
ペリカン:はい。QUOカードや優待券なんかの金券系もいいんですけど、私は基本的に、もらった優待を自分で消費することを目的に優待品を選んでいます。
それに、QUOカードって、サラリーマンを辞めてしまった今では、あんまり使い道がないんですよ。コンビニに寄ることもほとんどないので、ガソリンを入れたり本を買ったりすることで消費しています。
トウシル:優待があるかないか以外で、ペリカンさんの銘柄選びのルールを教えていただけますか?
ペリカン:株式投資を始めた当初はとにかくキャピタルゲイン目的で、値上がりしそうな銘柄を買っていました。ただ、コロナ前あたりから、
[1]配当利回りがよくて、PBR(株価純資産倍率)1倍以下、PER(株価収益率)10倍程度、連続増配している成長企業
[2]ホームページに出ている中期経営計画で、経営状態が良好な企業
[3]ホームページに出ている社長が笑顔
の3点で銘柄をチェックしています。
特に[2]の経営状態では、「海外売上比率」がどれくらいあるかをしっかりチェックするようにしています。今は日本円が弱いので、海外で利益を確保できる体質を確保できているかは重要ポイントですね。
コロナ禍で弱っていた飲食系企業も、ラーメン一風堂(力の源HD/3561)などは、積極的に海外出店していて、株価も強いです。
トウシル:[3]の[社長が笑顔]が気になりすぎるのですが(笑)、根拠を教えていただけますか?
ペリカン:社長は大事ですよ! 自信がないと笑顔になれないと思います。それに、社長自身が顔を出して、世間に向けてしっかり発信している企業の方が信頼できると思っています。
それに、会社のホームページなどを見て、社長自身が自社株をどれくらい持っているかもチェックしています。
トウシル:持っているほうがいいんですか?
ペリカン:もちろんです。自分の会社は成長するという自信、成長させるという意欲がある社長は、自社株を一定数、保有していると思うんです。だから私は、オーナー企業の方が好きです。
サラリーマン社長で、繰り上がりで社長になった、というより、自分で切り開いて成長させてきた社長の方が、世間に対する責任や自信も期待できるんじゃないかと思います。
トウシル:今注目している「社長」はいますか?
ペリカン: 7月末に上場したLaboro.AI(5586)の社長が、すごいイケメンで、経営方針の発信力もあるので、注目しています。旬のAI関連企業であることもプラスポイントなんですが、社長の存在感を信じて、しばらく保有してみるつもりです。
▼ペリカンさんの保有銘柄ベスト3
長期保有ベスト3 | 高額保有ベスト3 | ||||
---|---|---|---|---|---|
1位 | 任天堂(7974) | 任天堂(7974) | |||
2位 | コロワイド(7616) | 三井住友FG(8316) | |||
3位 | ぴあ(4337) | 三菱商事(8058) | |||
「長期保有・高額保有ともにベスト1の任天堂は、投資歴も長くコツコツと買い増していった銘柄で、思い入れもひとしおです。とはいえ、私はゲーマーではなく、子どもにゲーム機を買い与えたのもほんの数年前。企業としての価値や魅力を信じて投資を続けています」(ペリカンさん)。 |
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