2023年4-6月期決算は予想上振れ、1桁台後半の増収目標達成はやや困難か

現地コード 銘柄名
00220

統一企業中国控股

(ユニ・プレジデント・チャイナ)

株価 情報種類

6.41HKD
(8/10現在)

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 台湾系の飲料・即席麺大手、統一企業中国の2023年6月中間決算は、純利益が前年同期比43%増の8億7,700万元だった。一過性の土地売却収入2億5,600万元を除外したコア純利益は1%増の6億2,000万元。うち4-6月期のコア純利益は3億8,900万元と、BOCIの予想を10%上回る水準に達した。営業費用や税負担が予想より小さく、粗利益率の下押しをカバーしたという。経営陣は食品部門の需要回復と飲料部門の販売チャネルの拡大を理由に、2023年通期の増収率について、「前年比1桁台後半」との目標を維持した。BOCIは前年の10-12月期の既存店売り上げが高水準にあったことや、食品・飲料市場の競争激化を受け、この目標の達成をやや慎重にみている。それでも、原材料価格の軟化や製品構成のプレミアム化が十分に、チャネル投資の増大をカバーするとみて、前年同期比、前期比の採算性の改善を予想。株価の先行きに対して中立見通しを据え置いている。

 主力2事業のうち、食品部門の2023年上期の営業損失は5,800万元と、前年同期の1億5,800万元から赤字が縮小した。パーム油価格の軟化を受けた粗利益率の前年同期比2.5ポイントの改善が寄与した。ただ、営業黒字の実現には至らなかった理由として、BOCIは同業他社がチャネル投資を強化した影響で、流通コストが膨らんだ可能性を指摘している。部門売上高は上期に前年同期比9%減。1-3月期に10%台前半だった減収率は、4-6月期に1桁台まで改善した。経営陣は続く下期について、消費者需要の改善を見込む。プレミアム製品(1個当たり5元強)の売上構成比は上期に43.5%と、0.2ポイント低下したが、BOCIはこの先、売れ行きの回復と製品構成のプレミアム化が採算性の改善をけん引するとみている。

 一方の飲料部門の営業利益は上期に前年同期比4%減。粗利益率の縮小とチャネル投資(主に冷蔵設備)の増大が響いた。部門売上高はコロナ後の外出増加を背景に、1-3月の1桁台半ばの伸びから、4-6月期には10%台半ばから後半の伸びに加速。さらに7月には前年同月比18%の増収を記録した。粗利益率は上期に0.9%低下したが、これは低価格製品の比重拡大によるもの。また、PET価格の軟化による恩恵を、砂糖と牛乳の高騰が相殺した。経営陣は下期の祝日シーズンをにらみ、ギフトパックを投入する計画。小売店用の冷蔵庫向け投資を継続しても、下期には粗利益率の改善が見込めるとしている。

 BOCIは販管費と税額の低減が粗利益率の悪化を補うとみて、2023年の予想純利益を4%増額修正。2024年、2025年に関しては予想粗利益率の引き下げに伴い、3%、2%減額修正した。新たに2024年予想PER(株価収益率)15倍をあてはめた上で、目標株価を10%引き上げ、株価の先行きに対して中立見通しを継続している。レーティング引き上げにつながる可能性がある潜在要因としては、プレミアム化の加速や値上げ可能性を挙げ、逆に引き下げ要因としては、競争激化や原材料高などの可能性を指摘している。