2023年4-6月期業績を楽観、スマホ出荷低迷も利益率改善やプレミアム化がけん引

現地コード 銘柄名
01810

小米集団

(シャオミ)

株価 情報種類

11.96HKD
(8/3現在)

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 BOCIは小米集団の2023年4-6月期の好決算を予想している。スマホ販売は低迷するが、部品コストの軟化や在庫調整の完了、為替変動によるプラス効果、スマホとIoT(モノのインターネット)製品のプレミアム化が好決算に寄与するとの見方。同期の調整後純利益に関する予想を45%増額修正し、41億元に設定した。スマホ部門の粗利益率は2021年のピークである12%まで回復するとみている。また、パナソニックとの提携などプレミアム化への取り組みや若年層人気を理由に、引き続き大型家電ビジネスを楽観。2023-25年の利益見通しを増額修正し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 4-6月期の売上高について、BOCIは前年同期比6%減の660億元を見込む。厳しいマクロ経済環境にもかかわらず、IoT家電が好調に推移したとの見方。部品価格(ディスプレーパネルやメモリなど)の軟化や、非スマホ事業の高付加価値化、有利な為替変動を受け、粗利益率は20.2%、営業利益率は4.4%へ、前四半期比で0.7ポイント、0.6ポイント改善すると予想。調整後純利益に関する最新予想を41億元とした。28億元からの大幅な増額修正であり、市場コンセンサス予想の26億元を大きく上回る数字となる。

 事業別に見ると、スマホの出荷台数は低調で、調査会社カナリスによれば、4-6月に前年同期比15%減の3,320万台(うち中国国内は19%減の860万台)。ただ、BOCIは「Mi-13」の好調や在庫処理の完了、引当金の戻し入れ、ドル高、部品価格の軟化(ディスプレイやメモリ)を理由に、粗利益率は12%と、前四半期を0.8ポイント、前年同期を3.3ポイント上回るとみる。また、2023年通期の出荷見通しをほぼ現行水準に維持。利益率の改善を追い風に、同社が下期に、より柔軟な価格戦略を採るとみている。

 一方、IoT家電事業の4-6月期の売上高については、前年同期比6%増の210億元を予想(14%の増額修正)。粗利益率は16%を見込む。パナソニックとの提携がこの先、ブランドのプレミアム化を後押しすると予想。2023-25年にわたり、大型家電事業の業績がサプライズとなる可能性を指摘している。

 インターネット・サービス事業に関しては、4-6月期の予想売上高および利益率を73億元、73%に上方修正した。ゲーム配給認可の再開や国内の広告需要の回復見通しが背景。

 新規のEV(電気自動車)事業では、2024年の出荷台数見通しを3万台に据え置いた(平均販売価格予想は22万元)。2023年の新規事業コストと研究開発費に関しては、それぞれ75億-80億元、200億元との予測を維持している。

 BOCIは2023-25年の調整後EPS(1株当たり利益)予想を13%、7%、4%増額修正。2024年予想PER(株価収益率)30倍をベースとする目標株価を引き上げ(EV事業支出を除外した場合は同18倍)、株価の先行きに強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては国内での競争激化、地政学的な対立、インド当局との課税絡みの対立を挙げている。