2023年中間決算は15%増益、スマートタワーとエネルギー事業がけん引

現地コード 銘柄名
00788

中国鉄塔

(チャイナ・タワー)

株価 情報種類

0.87HKD
(8/4現在)

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 中国の3大通信キャリアが出資する通信塔インフラ運営会社、中国鉄塔の2023年6月中間決算は、売上高が前年同期比2.2%増の465億元、純利益が14.6%増の25億元となり、BOCIの予想および市場コンセンサス予想をいずれも上回った。料金調整による主力の通信塔ビジネスへのマイナス影響を、DAS(屋内分散型アンテナシステム:基地局の電波を光ケーブルで複数のアンテナに分配し、通信エリアを拡張するシステム)事業やエネルギー事業の力強い伸びがカバーした。設備投資は41.4%増と、引き続き増大傾向にあり、対売上高比率は28%に達した。BOCIは2023-25年の収益見通しをほぼ据え置き、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 売上高が小幅の伸びにとどまったのは、新規のレンタル契約に調整後の料金が適用されたため。通信塔サービス業務は上期に1.1%の減収だったが、料金調整が行われなかったと仮定した場合には3.4%の増収だった。一方、中核の通信塔事業を支える「両翼」ビジネスこと、スマートタワー事業およびエネルギー事業の売上高は33.7%増の計53億6,000万元。前者が31%、後者が38.5%の増収を達成した。通信塔のテナント総数は3.7%増の340万件。スマートタワーのテナント数は1.8%増の22万3,000件だった。

 中間期のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は前年同期比0.2%微増の320億元。EBITDAマージンは0.163ポイント上昇した。営業キャッシュフローは63.1%減の116億元。新料金体系向けのシステムの調整で、通信キャリアによる支払いが遅れ、フリーキャッシュフローが12億7,000万元のマイナスとなった。ただ、経営陣はあくまで一時要因であるとし、新たな決済システムの構築に伴う早期の回収を見込む。

 設備投資は中間期に前年同期比41.1%増の128億元で、うち53%を設備の建設・増強に、29%を更新・改良に振り向けた。経営陣は現時点で、2023年通期の設備投資予算を320億元に維持している。

 一方、固定資産の多くが寿命を迎える2025年以降の配当に関する説明の中で、経営陣は固定資産の耐用年数を延ばすための投資が必要となる可能性に言及している。

 BOCIは2023-2025年の予想売上高、予想純利益をおおむね現行水準に維持し、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を据え置いた。株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。レーティング面での潜在リスク要因としては、通信塔レンタル収入の利益構成比が高く、通信キャリア各社の設備投資計画への依存度が高いという特性を挙げている。