FIREが可能かどうか、シミュレーションしてみると……

──30~40代くらいで仕事をやめ、残りの人生を悠々自適に過ごしたい人は少なくないでしょう。ただ「自分みたいな普通のサラリーマンには無理だろう」と思って、なかなか現実的に考えられない人が多いのではないでしょうか。ぽんちよさんはどうだったのですか。

 最初にFIREを知ったときは、正直、本当に可能かどうか半信半疑でした。

 それでFIREが可能かどうか、シミュレーションしてみることにしました。具体的にいうと、どれくらい資産を蓄えれば働かずに暮らせるか、計算してみました。

──なるほど。若いうちに十分お金を貯め、それを切り崩して暮らす想定でしょうか。

 いいえ、そうではなく、配当金で暮らすことを想定しました。どれくらい資産があれば配当金だけで暮らせるか考えてみました。

──計算の結果はどうでしたか。

 僕は洋服とか食べ物にこだわらないし、お金がかかるような趣味もないので、年間200万円もあれば不自由なく暮らせる自信があります。つまり、年間200万円配当金をもらえれば暮らしていけます。

 だとすると、資産5,000万円が1つの目安かなと考えました。配当利回りを4%と仮定すると、配当金が200万円になるためです。

──「目標金額5,000万円」が決まった後は、どんなシミュレーションをしたのですか?

 次は、いつ頃、実現できそうかシミュレーションしてみました。

 当時、僕は毎月10万円を投資に充てていました。給与は人並みでしたが、会社の寮暮らしで住居費がほとんどかからないこともあり、給与の多くを投資に充てていたんです。

 そこで、毎月10万円投資し、それを年5%で運用していくと、いつ目標の5,000万円に届くかをエクセルで計算してみました。その結果、39歳で届くとわかりました。

──けっこう早いですね。

 大学時代から貯金していたため、すでにある程度蓄えがあったことも大きいと思います。それにもちろん、これはあくまでも机上の計算です。実際には予定外の出費があって10万円入れられないこともあるでしょうし、年5%で運用するのは簡単なことではありません。

 でも、少なくともすべてがうまくいけば、39歳という年齢でFIREできるという結果になりました。

 最初にFIREを知ったときは半信半疑でしたが、シミュレーションしてみたら決して不可能ではないとわかりました。だったら本気で挑戦してみようかと思いました。

──シミュレーションして正解だったのですね。

 ほんとにそう思います。だから、これを読んでいる人には最初から無理だと諦めず、一度真剣に検討してみるべきだと伝えたいです。