※この記事は2021年7月2日に掲載されたものです。
今回は人気投資系YouTuberの1人、ぽんちよさんにご登場いただきました。
社会人になってすぐ投資を始めたぽんちよさんは、その後、YouTubeチャンネル『めざせ!FIRE 投資・節約・副業 初心者の背中を押すチャンネル』を開設。今では登録者23万人を誇る人気チャンネルになっています。
また、今年5月には初めての著書『めざせFIRE! 知識ゼロから経済的自由を勝ちとる』を刊行しました。
そんなぽんちよさんに、YouTubeチャンネルや著書のタイトルにある「FIRE」(※)を中心に幅広くお伺いしました。
※FIRE:「Financial Independence, Retire Early」の略。経済的自由を確立し、早期退職すること。
友人に投資を勧められ、その日のうちに口座を開設
──5月に刊行された著書を拝読しました。ぽんちよさんは、YouTubeチャンネルでも著書でも「めざせFIRE」というフレーズを使っています。日本ではまだ「FIREって何?」という人も多いと思うのですが、このタイトルにしたのはなぜですか。
たしかに僕のまわりでも知らない人が多いかもしれません。
でも、特に20~30代くらいの若い人は絶対に知っておいたほうがいい考え方だと思っています。それでこのタイトルにしました。
──FIREとはひと言でいうと、経済的な自立を勝ち取り、早期退職しようということですよね。
はい。これまでサラリーマンは定年まで働くのが当たり前でした。でも、若いうちにある程度資産を蓄えれば、定年まで会社にしがみつくことはありません。
早くにリタイアして自分の好きな仕事や趣味を楽しむこともできるし、会社に勤め続けるとしてもムダな我慢や職場のいろいろなストレスを減らすことができる、という考え方です。
僕自身も、会社勤めをしながらFIREを目指しています。
──最初からFIREを目指して投資を始めたのですか?
いいえ、最初から意識していたわけではありません。
社会人になって半年がたった頃、業務の一環で、上司の時給単価を知る機会がありました。昇進が早い方だったにもかかわらず、僕の時給の1.5倍程度しかありませんでした。
それをきっかけに、自分の将来に漠然とした不安を覚えるようになりました。そんな折、そのことを大学時代の友人に話したら、「最近投資を始めたよ。オマエもやってみたら?」と勧められたんです。
それで投資に興味を持ち、その日家に帰ってすぐ証券口座開設の申し込みを行いました。
──すごい行動力です。
僕、大学の頃は「やらない理由を探す」タイプの人間だったんです。人に何かを持ちかけられても、いろいろ理由をつけて断ってしまうような……。
それで、そういう自分を変えたいと常々思っていました。だから、その時はあれこれ考えずに、とにかく行動しました。
──動画やSNSで発信されている「やらない理由を探してない?」というフレーズは、その時のご経験から来ているのでしょうか。
はい、そうです。
──投資を行ううちにFIREを意識するようになったのですか。
その当時、毎朝、会社に行くのが嫌でしょうがなかったんです(笑)。その後、転職して、今は状況が変わりましたが、あの頃は毎日が苦痛でした。
だから、米国でFIREという生き方が注目されていると知ったときは、これこそ自分が目指すべき道ではないかと思いました。
FIREが可能かどうか、シミュレーションしてみると……
──30~40代くらいで仕事をやめ、残りの人生を悠々自適に過ごしたい人は少なくないでしょう。ただ「自分みたいな普通のサラリーマンには無理だろう」と思って、なかなか現実的に考えられない人が多いのではないでしょうか。ぽんちよさんはどうだったのですか。
最初にFIREを知ったときは、正直、本当に可能かどうか半信半疑でした。
それでFIREが可能かどうか、シミュレーションしてみることにしました。具体的にいうと、どれくらい資産を蓄えれば働かずに暮らせるか、計算してみました。
──なるほど。若いうちに十分お金を貯め、それを切り崩して暮らす想定でしょうか。
いいえ、そうではなく、配当金で暮らすことを想定しました。どれくらい資産があれば配当金だけで暮らせるか考えてみました。
──計算の結果はどうでしたか。
僕は洋服とか食べ物にこだわらないし、お金がかかるような趣味もないので、年間200万円もあれば不自由なく暮らせる自信があります。つまり、年間200万円配当金をもらえれば暮らしていけます。
だとすると、資産5,000万円が1つの目安かなと考えました。配当利回りを4%と仮定すると、配当金が200万円になるためです。
──「目標金額5,000万円」が決まった後は、どんなシミュレーションをしたのですか?
次は、いつ頃、実現できそうかシミュレーションしてみました。
当時、僕は毎月10万円を投資に充てていました。給与は人並みでしたが、会社の寮暮らしで住居費がほとんどかからないこともあり、給与の多くを投資に充てていたんです。
そこで、毎月10万円投資し、それを年5%で運用していくと、いつ目標の5,000万円に届くかをエクセルで計算してみました。その結果、39歳で届くとわかりました。
──けっこう早いですね。
大学時代から貯金していたため、すでにある程度蓄えがあったことも大きいと思います。それにもちろん、これはあくまでも机上の計算です。実際には予定外の出費があって10万円入れられないこともあるでしょうし、年5%で運用するのは簡単なことではありません。
でも、少なくともすべてがうまくいけば、39歳という年齢でFIREできるという結果になりました。
最初にFIREを知ったときは半信半疑でしたが、シミュレーションしてみたら決して不可能ではないとわかりました。だったら本気で挑戦してみようかと思いました。
──シミュレーションして正解だったのですね。
ほんとにそう思います。だから、これを読んでいる人には最初から無理だと諦めず、一度真剣に検討してみるべきだと伝えたいです。
節約して投資資金を増やすことがFIREへの第一歩
──ぽんちよさんは毎月10万円、投資に充てているとのことですが、毎月のやりくりは大変ではないですか?
僕も決して高給取りというわけではありません。むしろ同世代の平均より低いかもしれません。それでも、住居費が安いことに加え、もともと節約好きで生活費が少なく済んでいたので、10万円投資していました。
10万円は無理、という場合でも、生活スタイルを見直したり節約したりすれば、それなりの金額を投資に回せるのではないかと思います。
──FIREを目指すなら節約は大事ですか。
はい、それは間違いありません。毎月の投資金額が多ければ多いほど、早く資産を増やすことができます。
それに節約は、その気になれば誰でもできて、確実に成果を上げることができます。普通、お金を増やすという行為にはリスクがともないますが、節約にはいっさいリスクがありません。
普通の会社員がFIREを目指すなら、絶対にやるべきだと思います。
──何かコツはありますか。
1つは家計簿をつけることです。
家計簿なんて面倒くさいと思うかもしれませんが、いつ、どこで、何を買ったのか記録に残すと、「来月は○○と○○の出費を減らして、さらに5,000円節約しよう」などと考えるようになるんです。
つまり、ゲーム感覚で節約に向き合えるようになります。
──ぽんちよさんもつけていますか?
節約を意識し始めた頃はつけていました。その結果、節約が習慣化したというか、節約するのが当たり前になったので、今はもうつけていません。
──ノートにつけていたのですか。
いいえ、スマホの家計簿アプリを使っていました。買い物をした時に、その場で入力するようにして。後でまとめてつけるよりも、面倒くささが解消されて、長続きすると思います。
──「面倒くさくない」のは大事ですね。他にもコツがあれば、教えてください。
食費を極端に切り詰めるとか、光熱費を節約するために入浴を控えるとか、心が貧しくなるような節約はしないと決めています。それよりも通信費とか保険料とか、固定費を見直すことから始めるのがいいと思います。
例えば僕は、通信費は月1,200円しかかかっていません。大手キャリアから格安SIMに変更し、大幅な節約を実現しました。今は大手キャリアも安価なプランを用意しているので、それに変更するだけでも違うと思います。
──節約好きとのことですが、ぽんちよさんはひと月、いくらくらいで暮らしているのですか。
以前、会社の寮に住んでいた頃は5万5,000円くらいでした。食費が約3万5,000円、住居費が7,000円、交通費が8,000円、通信費が1,200円、その他数千円といったところです。今の会社に転職してからは、住居費が増えたので、もうちょっとかかっています。
──それなら月10万円投資できそうですね。
はい、わりと余裕でした。
──ぽんちよさんは著書の中で、毎月の投資金額を増やす方法として、節約とともに副業を勧めています。次回はその副業の話からお聞かせ下さい。
前編:めざせFIRE!経済的自由を勝ち取る方法とは?
中編:FIREを実現する「副業」&「インデックス投資」!
後編:個別株投資という手段と、FIREに必要な備え。
▼ぽんちよさん著書の紹介ページはこちら!
『めざせFIRE! 知識ゼロから経済的自由を勝ちとる』【書籍紹介】
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