2023年4-6月期も好決算持続へ、消費者の旅行志向の高まりで「コロナ前」超えか

現地コード 銘柄名
00780

同程旅行

(トンチョン・トラベル・ホールディングス)

株価 情報種類

17.60HKD
(7/24現在)

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 中国の有力オンライン旅行プラットフォーム、同程旅行の2023年4-6月期決算について、BOCIは好調を予想し、1-3月期の勢いが続くとみている。中国経済と個人消費の低迷は逆風だが、同社にとっては◇国内の消費が旅行・観光志向にシフトしている、◇魅力的な旅行体験の創出に向けた努力が奏功し、市場シェアが拡大している――との2点がプラスになるとの見方。2023年4-6月期の売上高は前四半期の勢いを持続し、業務量はコロナ前の2019年4-6月期の水準を大きく上回るとみる。また、純利益も過去最高水準に迫ると予想。国内旅行市場に対する感応度や回復力の高さを理由に、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 4-6月期の売上高に関するBOCIの予想は、前年同期比108%増の27億元。これは2019年同期実績の172%に相当する。上海市のロックダウンに起因する前年同期実績の異例の低さに加え、今も続く潜在需要の解放や、マネタイズに向けた取り組みの強化が大幅増収を支える見通しという。2019年同期との比較では、小都市部での需要の好調を受け、宿泊予約部門の収入が急増するとの見方。1-3月期の勢い(宿泊予約日数が2019年同期比130%増)が続くとみる。一方の交通チケット予約部門の収入は2019年同期比である程度減速する見通しだが、ベース効果により、前年同期比では120%超の大幅増が予想されるという。

 一方、売上高の力強い伸びを受けた営業レバレッジのプラス効果で、4-6月期の粗利益率は、前四半期並みの約75%で推移する見通し。市場競争の激化を背景に広告宣伝費が膨らみ、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)マージンは26.4%と、前四半期の28.3%、2019年同期の27.7%をやや下回るとみている。ただそれでも、4-6月期の純利益は3億4,000万元と、記録的水準に達する見込み。前年同期の1億3,200万元の純損失から急回復し、コロナ前の2019年同期実績(純利益1億9,930万元)を上回る見通しという。

 BOCIはWACC(加重平均資本コスト)とターミナルバリュー(残存価値)伸び率を15.6%、4.0%と想定し、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を据え置いた。この目標株価は2023年、2024年の予想PER(株価収益率)で、それぞれ43倍、30倍に相当する。

 一方、レーティング引き下げにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、観光市場の回復が鈍化する可能性のほか、大株主との関係悪化、市場競争のさらなる激化、市場シェアを維持するための費用増などの可能性を挙げている。