今年購入できるのが最後となる一般NISA、インフルエンサー5人の銘柄や運用方針
来年、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)制度が刷新されるため、現行の「一般NISA」と「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」で、金融商品を購入できるのは今年が最後となります(2024年以降も非課税期間が終了するまでそのまま保有できます。ジュニアNISAで保有する金融商品は、5年間の非課税保有期間終了後、自動的に継続管理勘定に移管され、18歳になるまで非課税措置が受けられます)。
その内、一般NISAで運用をしている人気の投資系インフルエンサー5人(エルさん、DAIBOUCHOUさん、ペリカンさん、まる子さん、よしぞうさん、五十音順)に口座の中身を見せてもらい、ポートフォリオの考え方や銘柄選びのコツを教えてもらいました。
米国株投資家エルさん、生活必需品銘柄で「負けない運用」
エルさんのプロフィール |
図:エルさんの総資産と一般NISA口座それぞれのポートフォリオ
Q1:総資産のポートフォリオを教えてもらえますか?
外国株式64%、国内株式24%、国内外株式(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) )10%、外国債券1%、現預金1%
Q2:ご自身の資産の運用目的や配分の狙いは?
一部インデックス投資も活用しながらも、個別株投資においては生活必需品セクターを多く保有するなどの工夫により「負けない資産運用」を心がけています。既に一定の資産を形成し、かつ、投資だけで十分生活が可能であるため、守りながら、そこそこ増えていけば問題なしとの考えです。
Q3:資産の内、一般NISA口座で運用する資産はどういった位置付けでしょうか?
資産全体に占める割合はわずかであり、特に位置付けるほどのものでは正直ありませんが、非課税メリットを享受するため活用しています。
Q4:一般NISA口座でお持ちの資産の内訳は?
外国株式(投信)75%、国内株式25%
Q5:一般NISA口座でどんな商品をお持ちですか?
eMAXIS slim 米国株式(インデックス投資への投資拡大)、MonotaRO(モノタロウ、3064)(中長期保有に耐えうるグロース(成長)株式だから)
Q6:一般NISAで金融商品の購入をできるのは今年までです。非課税投資枠が残っている場合、ご自身のNISA口座の運用方針はどうしますか?
年初の段階で、早々に使い切りました。
Q7:来年、現行のNISAが刷新されて、新しいNISA制度が始まります。資産の割り当てなど今の運用方針を変える考えはありますか?
あくまで現時点の予定ですが、全額オール・カントリーに投資予定。初年度から既に特定口座で1,800万円購入済みの部分を毎年360万円ずつ恒久NISAにシフトする予定。
Q8:一般NISAをまだ始めていなかったり、投資枠が残っていたりする方にアドバイスをいただけますか?
国として、かなりの大盤振る舞いで準備した優遇制度。最優先で使わないと損です。
不動産・超分散投資のDAIBOUCHOUさん、飲食・小売系など優待株の置き場所に
DAIBOUCHOUさんのプロフィール |
図:DAIBOUCHOUさんの総資産と一般NISA口座それぞれのポートフォリオ
Q1:総資産のポートフォリオを教えてもらえますか?
国内株式60%、現物不動産36%、外国債券3%、現預金1%
Q2:ご自身の資産の運用目的や配分の狙いは?
賃貸用不動産や外国債券で生活費を賄い、相対的に投資成績が良い日本株投資に集中する。現金は最小限にする。
Q3:資産の内、一般NISA口座で運用する資産はどういった位置付けでしょうか?
長期保有前提の株の置き場所です。昔はインデックスファンドやETF(上場投資信託)の置き場所でしたが、最近は株主優待株の置き場所になりました。
Q4:一般NISA口座でお持ちの資産の内訳は?
国内株式100%です。
Q5:一般NISA口座でどんな商品をお持ちですか?
株主優待株です。飲食系や小売系など、100株保有での株主優待利回りが良く、10万円以下で長期保有に困らない株主優待株が多いです。
Q6:一般NISAで金融商品の購入をできるのは今年までです。非課税投資枠が残っている場合、ご自身のNISA口座の運用方針はどうしますか?
既に保有中の株主優待株の中から、株主優待の廃止リスクが低く、優待利回りが良い株主優待株をクロス取引(同一銘柄、同数量の買い注文と売り注文を同時に発注し約定させる取引)でNISA口座に置く予定です。
ただ、最近面倒くさくなって、使い切っていません。実は、NISA口座の損益がNISA以外の株口座に比べて投資成績が悪く、悩んでいます。
要は前述の株主優待株たちの値上がりが悪いだけで、それがNISA口座にあろうが普通の口座だろうが、投資劣後原因には変わりません。
NISA口座に移すのではなく、いっそ全部売却しようかと思いつつ、利回りの良さに売却をためらっています。
Q7:来年、現行のNISAが刷新されて、新しいNISA制度が始まります。資産の割り当てなど今の運用方針を変える考えはありますか?
新NISAでは、保有商品を売却してNISA枠を復活させることができるルール変更があるので、今後検討します。
ただ、復活しようが成長投資枠は240万円上限と決まっているので、短期売買には不利で、やはり長期保有前提の株の置き場所になりそうです。
Q8:一般NISAをまだ始めていなかったり、投資枠が残っていたりする方にアドバイスをいただけますか?
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)の最大活用が先決と思いますが、iDeCoを活用してもさらに投資資金が余る場合は、NISAを最大限活用すべきと思います。