2023年上期は36%の増益見通し、原材料価格の軟化と製品値上げで利益率改善へ

現地コード 銘柄名
00322

康師傅控股

(ティンイ)

株価 情報種類

11.60HKD
(7/13現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 中国即席麺市場でトップシェアを握る台湾系の食品大手、康師傅控股の2023年6月中間決算について、BOCIはコア純利益と売上高がそれぞれ、前年同期比36%、7%の伸びを示すとみている。製品値上げとパーム油価格の反落を背景に、即席麺事業が粗利益率の改善を後押しし、営業利益率の拡大にも寄与するとの見方。即席麺の販売量と採算性の両面で、業界平均や主要競合他社を上回るとみている。一方の飲料部門では、砂糖価格の上昇がPET価格の軟化による利益率の改善を一部打ち消すとしながらも、売上高の伸びを楽観。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2023年上期の売上高に関するBOCIの予想は前年同期比7%増だが、内訳は即席麺が2%増、飲料が9%増。飲料部門に関しては、1-3月期、4-6月期と連続で1桁台後半の増収を見込みながらも、需要期を迎えての屋外活動の回復や気温の上昇で、4-6月期には増収率が加速したとみる。即席麺は2022年上期に値上げを実施した後、下期には販売量が落ち込んだものの、BOCIは2023年上期には前年同期並みの水準を回復するとの見方。業界平均や主要競合他社を上回る部門業績を見込む。実際、チャネル投資の効果で、即席麺市場における同社のシェアは回復傾向にあるという。また、即席麺の平均販売価格の上昇率は上期に1桁台前半-中盤となる見込み。製品値上げによるプラス効果を、製品構成の低価格化が一部打ち消すとみている。

 同社全体の上期の粗利益率について、BOCIは前年同期比2.4ポイント改善し、30.7%に達するとの見方。即席麺、飲料の粗利益率がそれぞれ5.4ポイント、0.7ポイント上向くとみている。うち即席麺部門では、2022年4-6月期にピークを打ったパーム油価格の反落で、2023年4-6月期には調達価格の低下がさらに鮮明となる見込み。飲料部門では、PET価格の下落によるコスト削減効果を、砂糖価格の高騰が一部相殺するとみる。一方、同社全体の営業費用の対売上高比率は上期に前年同期比1ポイント上昇する見通し。市場競争の激化を受けたチャネル投資(飲料事業における小売店への冷蔵庫の配備や即席麺事業における代理店向け補助金など)やブランド構築の強化に伴う費用増で、結果的に、営業利益率の上昇幅は1.4ポイントになるとみる。上期のコア純利益に関しては前年同期比36%増の16億4,600万元を予想。コア純利益率の0.9ポイントの改善を見込む。

 BOCIは原材料価格の変動リスクを理由に予想粗利益率を下方修正。2023-25年の予想純利益を6%、9%、9%減額修正した。2023年予想PER(株価収益率)20倍をあてはめ、目標株価を引き上げた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは商品価格の上昇や市場競争の激化、ブランド構築の不成功、食品安全問題の発生、値上げの実施の遅れなどの可能性を挙げている。