株式市場は利上げ長期化懸念で上昇一服
MSCI世界株価指数は15日の高値(2,966)まで年初来14%上昇した後にスピード調整局面を迎えています。米国株の戻り歩調をエンジンに堅調をたどっていた世界株式も、期末(6月末)を控えた機関投資家による大規模なリバランス売り(株高に伴う配分調整売り)にさらされた可能性もあります。
米国市場ではS&P500種指数が15日の年初来高値(4,425)で年初来上昇率が+15.3%に達して以降は一服商状となりました(28日)。
前週の22日に英国のイングランド銀行、スイスやノルウェーの中央銀行が利上げを決定したほか、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が21日と22日の議会証言や28日のECB(欧州中央銀行)フォーラム(開催地:ポルトガル)で、「年内2回程度の追加利上げ予想が妥当である」とタカ派的な発言を繰り返し、投資家の警戒感と利益確定売りを誘いました。
ただ中長期の視点に立てば、MSCI世界株価指数は昨年10月に付けた直近安値から2割超上昇したことで「強気相場」入りを確認(図表1)。昨年初から10月までの下げ幅の半分以上を取り戻したことにより「半値戻しは全値戻し」も示唆してきました。
2月には100日移動平均線が200日移動平均線を突き上げる「ゴールデンクロス」を示現しました。目先の株価軟調は、中期的な持ち直しトレンドにおける一時的な調整局面と考えられます。