アクティブファンド選びのポイント(1)3つの鉄則

 アクティブファンドを購入したことがある人はこれまで、対面営業の金融機関、主に証券会社で購入してきたという人がほとんどでしょう。資産運用の相談のため、店舗の窓口で話を聞く場合、金融機関がお勧めする投資信託、中でもアクティブファンドを提案されることがあるからです。

 もちろん、顧客のニーズに沿った提案にはなりますが、金融機関の販売上位銘柄を見ると、実はインデックスファンドよりもアクティブファンドが提案されていることがわかります。ファンドの運用会社から販売を委託されている金融機関からすれば、低コスト=手数料収入の低いインデックスファンドよりも、手間暇をかけた分の手数料が乗っているアクティブファンドを中心に販売することは、営利企業として当然の流れかもしれません。提案の中で、運用に関するリスクや手数料についての説明がある一方で、アクティブファンドの良しあし、そして判断方法の説明を受けたという方はそう多くはないはずです。

 では個人投資家はアクティブファンドを自らの手で選ぶことはできないのでしょうか。

 そこで今回は、アクティブファンド選びの基本をわかりやすく紹介します。まずは、はずしてはいけない鉄則を3つに絞ってお伝えします。

アクティブファンド選びの鉄則1:ファンドと比較すべき指標を見極める

 アクティブファンドの運用方針は、市場全体の平均的なリターンを上回る成果を得ることです。ほとんどのアクティブファンドは、市場全体を参考指標として採用しています。

 ここで気をつけておきたいことは「市場全体とは何を表しているか」です。

参考指標が適切か

 例えば、米国のAI(人工知能)やフィンテックなどの新しいテクノロジーをテーマに投資をするファンドなのに、参考指標が、IT企業の多いナスダック総合指数ではなく、大型株で構成されるS&P500種指数を採用していては、評価に疑問が残ります。

参考指標の対象銘柄が少なすぎないか

 次に、コロナワクチンの効果に期待する投資対象をテーマにしたファンドがあったとします。参考指標にバイオテクノロジーETF(上場投資信託)を採用していたとしても、コロナワクチンを製造・販売している企業は一部に限られています。そのため、他のバイオ系銘柄の値動きに影響され、想定している値動きとはかけ離れてしまうかもしれません。

どんな銘柄が組み入れられているか

 また、ファンドの月次レポートを見ると、上位10銘柄以上が記載されていることもあります。投資をする前に、どんな銘柄を組み入れているのか、参考とする指標は何か、そもそも参考指標となるものがあるのかなどを判断するようにしましょう。