今日の為替ウォーキング
今日の一言
今さら、自分を変えようとしてはならない。うまくいくわけがない。自分の得意とする仕事のやり方を向上させることに、力を入れるべきである – P.ドラッカー
Paranoid
6月の会合FOMC(米連邦公開市場委員会)は、主要政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標を5.00-5.25%で据え置く一方で、2023年末のFF金利の予想中央値は5.125%から5.625%に引き上げられた。FOMC参加者の多くが、年内あと2回の利上げを想定している。パウエルFRB議長は、米経済は高インフレに直面しており、インフレ率を目標の2.0%に戻すためには金利をさらに引き上げる必要があると米議会で証言した。
ECB(欧州中央銀行)は、6月の理事会で0.25%の利上げを決定した。これはECBにとって8会合連続の利上げで、デポ金利は3.25%から3.50%に引き上げられ、22年ぶりの高水準となった。ラガルドECB総裁は次回7月も継続する公算が大きいと記者会見で述べている。
BOE(イングランド銀行)は22日、市場予想を超える0.50%の利上げを決定し、政策金利を5.00%に引き上げた。BOEは今後さらに0.75%の追加利上げを行う可能性がある。SNB(スイス中銀)は0.25%利上げして政策金利を1.75%に引き上げた。SNBも9月に追加利上げを実施する公算が大きい。SNBは輸入インフレ抑制のために積極的にスイス買い為替介入を行うと表明している。
RBA(豪準備銀行)とBoc(カナダ中銀)は、先週の会合で利上げを決定した。どちらの中央銀行も、4月時点では利上げ終了宣言をしたが、その後もインフレ上昇が止まらず、金融引き締めの再開に追い込まれた。
トルコ中銀は政策金利を現行の8.50%から15.00%へ引き上げた。トルコ中銀は2021年3月の利上げを最後に、その後はエルドアン大統領の圧力もあって、23年2月には政策金利は8.5%まで引き下げられていた。今回の利上げは2年3カ月ぶりの重要な金融政策の変更となる。
世界の中央銀行がインフレ抑圧に全力を尽くしているなかで、日銀の植田総裁は「金融政策でどうこうすることはできない」としてこれまで通り「粘り強く金融緩和を継続していく」方針を示した。金融政策の違いが円安を加速させているのは当然である。