やってはいけない投資信託選び3:分散投資のつもりで、いろんな種類を買っている

 資産形成をするなら「長期・分散・積み立て」投資というキーワードを耳にしたことはないでしょうか。

 ここでいう分散投資は、主に投資先を分散するという意味です。株式や債券といった資産だけでなく、通貨や投資する国などを分散することで、価格変動のリスクを抑えて、安定した好リターンを目指す代表的な投資手法です。

 ただし、分散投資には大事な点があります。それは、組み合わせ方と投資配分の定期的な見直しが必要だということです。自分で一度組み合わせた投資が、ずっと効率的になっているかどうかは、分からないからです。

 投資信託はもともと分散投資されている商品ですから、一つ保有しているだけで十分な分散効果を期待できます。

 そのため、まずは自分のニーズにあった投資信託を1本、探した方がいいでしょう。

やってはいけない投資信託選び4:管理できないほどの本数を買っている

 運用を始めた頃は一つひとつの商品を理解していても、購入している商品数が多くなって、だんだんと管理しきれなくなっている方がいます。

 買った当初はそれぞれの商品の仕組みやリスクを理解していても、時間が経つにつれて理解があいまいになることはよくあることです。

 特に長期投資を前提に投資をしている人は、どうしても普段の生活にあまり関係がない投資への理解が浅くなりがちです。大切なお金のことであっても、人が管理できる量には限界があります。

 また当然ですが、年齢によって理解力や判断力が衰えていくことも考えた上で、自分にとっての適切な範囲で、無理のない投資を心掛けましょう。

やってはいけない投資信託選び5:出口(売却)を考えずに買っている

 投資信託は買いっぱなしになることはありません。いつかは売却することになります。そのため、明確なルールを決めるまでは必要ありませんが、どんな時に売却を検討するかをイメージしておくことが重要です。

「一定水準まで資産が増えたら」「ある程度の期間が過ぎたら」「相場の変化によって」「高齢になって管理が面倒になる前に」など、シチュエーションは人それぞれです。

 ところが、何となく保有し続けるという人もいるのです。いずれ必要となるお金のために運用をしているのに、これでは本末転倒です。

 特に金融機関で提案を受けて投資商品を購入している人は注意が必要です。金融機関では投資信託の販売予算があったり、保有残高を維持させることを社員に求めていることも多く、商品を売却されてしまうと会社の目標が遠のくことになります。

 そのため、必要なときなのに金融機関に売却を止められたり、売却した後にすぐ、次の商品を提案される仕組みがあることは覚えておきましょう。