米国高配当株5:グリーンブライアー・カンパニーズ(GBX)

 米国最大の貨物鉄道車両メーカーで、北米の全鉄道車両の40%近くを製造し、北米市場で現在使用されているほとんどの種類の貨物鉄道車両を製造しています。

 北米、欧州、南米、その他の地域で鉄道車両の設計、製造、販売を行うリーディングカンパニーであり、北米では船舶の製造・販売も行っています。グリーンブライアー・カンパニーズは製造事業、メンテナンス・サービス事業、リース&マネジメント・サービス事業を通して顧客にサービスを提供しています。

 時価総額は9.8億ドルで、日本円で約1,270億円となっています(1USD=140円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「製造事業(Manufacturing)」で、続いて「保守管理サービス事業(Maintenance Services)」、「リーシング&マネージメントサービス事業(Leasing & Management Services)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「製造事業」では北米の鉄道車両製造、欧州鉄道車両製造、船舶製造を中心に事業を展開しており、「保守管理サービス事業」ではホイールサービス、鉄道車両のメンテナンス、部品製造を中心に事業を展開しています。

競合他社

 競合他社として、植生管理、インフラ整備、その他の用途の機器の設計、製造、販売、サービスの提供を行うアラモ・グループ(ALG)、Wabtec Corporationとして事業を行い、貨物鉄道および旅客輸送業界向けの技術ベースの機関車、機器、システム、およびサービスを提供する会社であるワブテック(WAB)、運輸、ロジスティクス、流通業界向けのコネクテッドソリューションを提供するワバシュ・ナショナル(WNC)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移していますが、配当は横ばいで推移しています。

 外注部品や材料のコスト上昇により製造利益率が悪化し、さらに品不足、長引くサプライチェーンの問題もあって2023年1月6日開示の第1四半期の決算内容が市場予想を下回り、それに伴い株価が大きく下落しました。

 その後は業績が改善したことや1,700万ドルの自社株買いもあって徐々に株価は回復してきており、自社株買いの枠はまだ7,500万ドル残っていることから今後も株価の下支えとなることが期待されます。

業績動向

 2023年4月10日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。鉄道車両の注文が好調で、全ての事業で収益と利益率が改善したことで、業績は第1四半期を上回りました。

 会社側は、財務パフォーマンスをより向上させ、「製造事業」の利益率をさらに改善するための取り組みを行っているとしており、また長期的には「リーシング&マネージメントサービス事業」の年間売上高を100%増加させ、2026年度までに総粗利率を10%台半ばに乗せると計画しております。

 会社側は今後も「製造事業」における収益基盤が拡大することで利益率が改善すると予想しており、今後も堅調な業績で推移することが期待されます。

 次回2023年6月30日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 インフレの影響が業績に影響を及ぼしており、このインフレが長期化すると業績にさらなる悪影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.08ドル
配当利回り:3.57%
株価:30.22ドル(約4,200円)

 この銘柄、権利落ち日は7月下旬の予定(権利実施は8月中旬)です。

 配当利回りは612日時点で3.57%、株価は30.22ドルでおよそ4,200円から購入できます(1USD=140円計算)。

 2020年からの最高値は53.40ドル、最安値は13.12ドルとなっています(終値ベース)。 

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