今日の為替ウォーキング
今日の一言
もし私が木を切る時間を8時間与えられたら、そのうち6時間は斧を研ぐのに使うだろう – リンカーン
Get Down Tonight
FRBは、インフレ率を目標値の2.0%まで下げたいと考えている。しかし、インフレを短期間で急激に押し下げようとすると、失業率は4.0%どころか5.5%を超えて上昇するリスクが高い。
利上げが効きすぎて、就業者の伸びがマイナスになった場合、FRB利下げを即断するといわれている。下半期に利下げサイクルが始まるとの予想も根強い。しかし、それほど早く就業者が減少に転じるだろうか。
実際はその反対で、FRBが利上げを続けても雇用市場の過熱はしばらく続くのではないだろうか。米国の労働市場における人手不足の理由のほとんどは新型コロナ感染流行前から存在しているもので、今も改善されるどころか、悪化している。
米労働市場のひっ迫の原因は、経済学というよりも人口学の問題だ。移民を増やしたりして、より多くのプライムエイジ・ワーカーを増やす努力をしなければ、労働供給不足は永遠に解決しない。これは政治の仕事であり、FRBの金融政策では解決できない。
雇用市場の強さはこれからも続き、失業率が急上昇したり就業者が急減したりするような、FRBに政策転換を促すサインが灯ることは当面期待できないことになる。