今日の為替ウォーキング

今日の一言

時間を自分の味方につけるには、ある程度自分の意志で時間をコントロールできるようにならなくてはいけない – 村上春樹

Wild World

 FRBの利上げ政策は「どれだけ早く」から、「どれだけ高く」へと重点が移った。FRBは1年前、2022年6月のFOMCにおいて0.75%の利上げを断行した。来月の会合ではそのような大幅利上げをすることはないが、そのかわりに小幅な0.25%の利上げを断続的に続けて、より高い終着(ターミナル)レートを目指すようだ。

 利上げ効果が経済に浸透するまでにはある程度時間がかかる。積極的な利上げがもたらすリセッションという副作用の大きさを考えると、いったん小休止する頃合いだという見方も広がっている。さらに来年のいずれかの時点では「利下げ」との見方もでている。

 しかし、FRBはマーケットの行き過ぎた楽観論を決して快くは思っていない。ウォラーFRB理事は、CPIについて「ある時点のデータに過ぎず、あまり深読みしてはいけない」と警告する。現在の6%近いインフレ率は、FRBの目標値2%と比較して「とんでもなく高い」と指摘し、利上げ休止期待を完全否定した。

 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は、0.50%利上げを「ハト派的」と考えること自体が間違いだという。「FOMCは1983年から合計88回利上げをしてきたが、そのうち75回は0.5%より低かった。」

 重要なことは、パウエルFRB議長をはじめFRBの多くのメンバーが「政策金利の終着レートはまだ高くなるべきだ」という考えを持っていることだ。「利上げ減速」は累積効果を測定するためであって「利上げ停止」ではない。インフレの状況次第によっては加速することも十分ありえる。

 投票権を持つ最右派のブラード・セントルイス連銀総裁は、「十分に引締め的な金利水準とは5.00%から7.00%である」として、マーケット予想を上回る水準までの金利引き上げを支持する。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成