2023年1-3月期に赤字縮小見通し、主力事業の堅調を支えに新規事業を開拓へ

現地コード 銘柄名
01024

快手科技

(クワイショウ・テクノロジー)

株価 情報種類

50.75HKD
(4/27現在)

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 ショート動画プラットフォームを運営する快手科技の2023年1-3月期決算は5月末に発表される予定だが、BOCIはDAU(1日当たりアクティブユーザー)が過去最高の3億7,500万人に達する中で、ユーザー指標や売上高、利益がそろって上向くと予想。売上高は前年比17%増の247億元に達し、純損失率(非IFRSベース)が1.3%まで縮小するとみている。また、2023年には主力3事業の市場シェアがそろって拡大するとの見方。競争力を生かして新規ビジネスに歩を進めると同時に、短期的には支出を抑制しつつ、段階的なマネタイズ(収益事業)化を図るとみる。2023年予想PSR(株価売上高倍率)2.7倍に当たる目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 快手科技は2023年も、相互に関係性の深い三つの国内主要ビジネスをめぐって、コミットメントの履行を継続する見込み。BOCIはインフルエンサー(KOL)や、それをまとめるマルチチャンネルネットワーク(MCN)との関係強化が同社のストリーミングエコシステムを支え、成長を後押しするとみている。また、外部の成果報酬型広告の復調と、社内広告およびブランド広告、新たな検索広告の好調に加え、広告ビジネス全体の効率化が、オンライン広告市場における同社の市場シェアの拡大を後押しするとの見方だ。このほか、従来型のEC事業の立ち上げやインフラの最適化、サービスプロバイダーの拡大などを背景としたGMV(総流通額)の堅調が、EC部門の増収を支える見通しを示した。求人プラットフォーム「快聘(Kwai Hire)」をはじめとする新規ビジネスに関しては、マネタイズを目指して出費を抑えつつ、高品質のコンテンツとサービスを提供するために自社の競争力(トラフィックやエコシステム、アルゴリズム、インフラ、パートナーなど)を活用する可能性が高い。このため、新規ビジネスの推進による2023年の財務への影響は限定的となる見込み。ただ、2024-25年には、段階的に投資が発生する可能性があるとしている。

 2023年1-3月期決算について、BOCIはMAU(月間アクティブユーザー)、DAUが前年同期比8%増の6億4,400万人、9%増の3億7,500万人に上るとみている。ストリーミング、広告、ECその他という3部門がそれぞれ15%、15%、41%の増収を達成し、全体の売上高が17%増の247億元に上ると予想。粗利益率に関しては46.0%を見込み、営業損失は13億元、純損失(非IFRS)は3億2,400万元に大きく縮小するとみる。

 BOCIは2023年の売り上げ見通しをアップデートした上で、PSRベースの目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。目標株価の算出ベースは2023年予想PSR2.7倍(同2.8倍から修正)。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、規制の強化や国内マクロ経済の予想下押しとそれに伴う広告市場の回復の遅れ、非効率的な組織再編、海外事業のマネタイズの遅れなどの可能性を挙げている。