回復基調にある消費、不安が残る雇用、不動産市場は?

 ここからは、同じく4月18日に発表された、1-3月期の主要経済指標を見ていきましょう。一覧表に整理してみました。

  2023年1-3月 2022年10-12月
GDP実質成長率 4.5% 2.9%
工業生産 3.0% 2.7%
小売売上高 5.8% ▲2.7%
固定資産投資 5.1% 5.1%(2022年通年)
不動産開発投資 ▲5.8% ▲10.0%(2022年通年)
住宅販売面積 ▲1.8% ▲24.3%(2022年通年)
住宅販売売上高 ▲4.1% ▲26.7%(2022年通年)
貿易 4.8%(輸出8.4%:輸入0.2%) 0.6%(輸出▲0.5%:輸入2.2%、2022年12月)
失業率(除く農村部) 5.5% 5.6%
失業率16~24歳 19.6%(3月) 16.7%(2022年12月)

 投資や製造業はまだ弱い感じですが、個人消費には明らかな回復が見られ、昨年歴史的に低迷した不動産関連の指標にも好転の兆しが見受けられます。

 一方、特に若年層における雇用には不安要素があり、需要不足という構造的問題も解決とはいえないのが現状だと思います。これらの数値と同時に、国家統計局は次のコメントを発表しています。

「第1四半期は新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、平穏な状況に転換していくに伴い、成長、雇用、物価を巡る安定化政策が功を奏し、前向きな要素が蓄積、増加していった。国民経済は安定的に回復しており、2023年の開局は良好である。ただ、国際環境は複雑で流動的である。内需における不足や制約も顕著であり、経済回復に向けた基礎は強固ではない」

「コロナフリー」下における中国経済の回復に期待を高ぶらせる欧米の大手金融機関と比べて、中国政府は現状と先行きを楽観視していないスタンスが垣間見られます。これらの統計発表後、私が意見交換を行った中国政府の関係者も「5.0%という成長目標の達成は容易ではない。昨年の教訓もある。不動産市場がどこまで活気づくか。中国の消費者マインドが前向きになるか。欧米の景気後退が中国経済にどこまで波及するかなど、国内外における不確定要素は山積している」との見方を示していました。