米国株のアノーマリー

 そろそろ4月も終わりを迎えますが米国では10月から4月にかけては相場が良く、5月から9月までは相場が悪いというジンクスがあります。

 これが「Sell in May and go away!」という格言の由来です。7月にはいわゆるサマーラリーでちょっと盛り返す場面がしばしばみられますが、それは短命に終わり、秋の難しい相場を迎える年が多いです。10月は統計的には高いことになっていますが、1929年の「暗黒の木曜日」や1987年の「ブラックマンデー」はいずれも10月に襲っています。

「利上げ打ち止め」

 米国の政策金利を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)は5月3日です。大方の予想では米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは0.25%利上げされ、5.00~5.25%になると見られています。これが今回の利上げサイクルで最後であり「利上げ打ち止め」となる公算が高いです。

 金利引き上げの手が止まるということは株式市場の逆風が止むことを意味します。これは歓迎すべき展開です。

決算発表シーズン

 いま米国は2023年第1四半期決算発表シーズンに突入しています。トップバッターの銀行株はまずまず良い決算を出したもののハイテク株は悪い決算が目立ちます。ならしてみると今期の決算は前年同期と比べて▲7%前後が予想されています。

 

 つまり業績面でも株式への援護射撃はあまり期待できないということです。

投資戦略

 これらをまとめると米国株はアノーマリー的に厳しい季節を迎える、ただし金利面ではホッと一息つける展開になりそうだ、しかし業績には多くは期待できないということです。したがってこれから10月くらいまでは慎重な態度で臨んだ方が良いと思います。

 全世界株式や全米株式をまるごと買うようなETF(上場投資信託)を積み立てているような人は今後も粛々と継続投資するのがベストです。

 一方個別株で値幅取りするようなトレードスタイルの人は余り熱くならずトレードの頻度を落とすというような割り切りが必要でしょう。

「休むも相場」という格言がありますが、いまは勝負をするときではないと思います。