4月見通し

材料面から見た4月見通し

 ちなみに足元のFF金利先物の織り込みでは5月FOMCで利上げするか否かはほぼ五分五分だ。それは4月に入ってからの金融不安の行方や経済指標による部分が大きい。ところがFOMCの結果発表が5月4日(木・祝)と5月の雇用統計やCPIの前に発表される。

 すなわち、4月12日にCPIが発表されて以降、金融不安や景気動向を見ながら利上げの有無が議論される。この様に4月のBTC相場は変動要因が多い。

 ただし、SECがコインベースに訴追予告を出しても、CFTCがBinanceを提訴しても、BTCの下げは限定的だった。というかむしろ、そうした悪材料で売られたところには押し目買いが入るせいか、悪材料が出るたびに年初来高値を更新する展開が続いている。

 すなわち、米当局による暗号資産業界への締め付けと、金融政策の転換による上昇相場への転換との比較でいえば後者の影響の方が大きいといえそうで、押し目買い意欲から底堅く推移しそうだ。

テクニカル面から見た4月見通し

BTC/USD一目均衡表

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 テクニカル的にも4月のBTC相場は底堅そうだ。一目均衡表では3役好転の買いサインが出ており、小さな上昇フラッグを少し上に突き出た格好で、上昇トレンドの継続を示唆している。

BTC月別パフォーマンス

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 アノマリー的には、足元で3カ月連続で陽線が続いている。3カ月連続陽線が続いた過去11回のうち8回が4カ月目も陽線となっている。また1年で最もパフォーマンスが悪い3月の反動で4月のパフォーマンスは8勝4敗とまずまずだ。このまま4月も陽線引けとなる可能性が高そうだ。

4月見通し

 まとめると、4月のBTC相場は利上げ動向や規制動向など変動要因が多く難しいが、下がったところはサポートされ、4カ月連続で上昇となる可能性が高いと考える。

 2023年は年後半に利下げが意識され始めて400万円に到達する予想をしていたが、今回の金融危機でそれが前倒しになる可能性が出てきた。

 2019年のようなパターンで、マーケットはさらにオーバーシュートして、年後半に反落、結局400万円で落ち着くパターンになるかもしれない。