2022年は27%増収、契約面積の拡大やコミュニティーサービス戦略を高評価

現地コード 銘柄名
06049

保利物業服務

(ポリー・プロパティー・サービシズ)

株価 情報種類

43.00HKD
(3/31現在)

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 中央国有企業である中国保利集団傘下の不動産管理会社、保利物業服務の2022年本決算は、売上高が前年比26.9%増の137億元と、BOCIの予想通りの水準に達した(純利益は31.6%増の11億元)。通常の不動産管理サービス業務と「非不動産オーナー向け付加価値サービス」(主に販売支援などのデベロッパー向けサービス)業務の売上高が予想を小幅に下回る半面、コミュニティー向け付加価値サービス(VAS)業務が予想から3.7%上振れた。コミュニティーVASの比重の拡大で、粗利益率は前年を0.1ポイント上回る18.8%。販管費は予想より6.2%低い数字となり、通期のコア純利益はBOCIの予想、市場コンセンサス予想をそれぞれ14.5%、5.7%上回った。配当性向は2021年の20%に対して25%。BOCIは売上構成比の変化と販管費の抑制を反映させる形で、2023年、2024年の予想EPS(1株当たり利益)を7.9%、7.4%上方修正。力強い管理物件面積の伸び(保利グループ内の開発物件)と差別化戦略による第三者業務の獲得能力、明確なコミュニティーVAS戦略を前向きに評価。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2022年に獲得した第三者受託契約(グループ外のサービス請負)は27億7,000万元と前年実績を1億9,000万元上回った。公共施設、オフィス物件、住宅の割合がそれぞれ64.0%、24.3%、11.7%(前年は50.2%、23.1%、26.7%)。国内全体で新築住宅の開発が減速する中、公共施設や国有オフィスビルから契約を獲得する競争力の高さを示した。

 管理契約済みの物件の床面積(GFA)は前年比1億1,530万平米増の7億7,160万平米。すでに管理業務を提供する物件のGFAは1億1,080万平米増の5億6,710万平米。期末時点で、第三者受託が契約面積に占める割合は59.4%、管理面積に占める割合は61.3%と、それぞれ前年を1.9ポイント、1.3ポイント上回った。また、第三者受託が不動産管理収入に占める割合は2022年に38.7%と、前年から4.3ポイント上昇している。

 一方、コミュニティー向けVAS業務の売上高は前年比33.1%増の31億元に達し、売上高全体に占める割合は22.4%へ1.1ポイント上向いた。また、粗利益率も0.6%上昇して32.0%。内装などの一部サービスは新型コロナ感染の再拡大による影響を受けたものの、コミュニティー向け小売りサービスなどの需要増がマイナス影響を相殺した。BOCIは地域のリソースと製品・サービスを組み合わせた高収益モデルを目指す上で明確な戦略を持つとして、同社を前向きに評価している。

 BOCIは目標株価の算出ベースを2024年予想PER(株価収益率)に移行。同時に、前年実績の高さによる成長減速を反映させる形で、目標PERを25倍から21倍に下方修正しながらも、同社の目標株価を引き上げた。現在株価は2024年予想PERで13.3倍相当。契約面積の力強い伸びや明確なコミュニティーVAS戦略を考慮すれば、相対的に低水準にあるとして、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。