2022年に422%増収、「AK112」などの治験結果が今後の焦点に

現地コード 銘柄名
09926

康方生物科技

(アケソー)

株価 情報種類

45.50HKD
(3/17現在)

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 バイオ医薬品開発会社、康方生物科技の2022年12月通期の製品販売収入は前年比422%増の11億440万元と、BOCIの予想通りの水準に達した。抗がん剤カドニリマブ(コードAK104:抗PD-1 /CTLA-4二重特異抗体)の販売収入が5億4,630万元と、市場およびBOCIの予想を上回る水準に達したことが大幅増収に寄与した。BOCIは同社の強力な執行力を高く評価。ディスカウントキャッシュフロー方式に基づく12カ月目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。短期的には、EGFR遺伝子変異型NSCLC(非小細胞肺がん)を適応症とした中国でのivonescimab(AK112:抗PD-1/VEGF二重特異抗体)の治験データのリードアウトと、米サミット・セラピューティクスと組んだ海外でのAK112の治験の行方が焦点になる見通しという。

 2022年の製品販売収入の大幅増を支えたのはAK104の好調。半面、ペンプリマブ(AK105: PD-1)の販売収入は164%増の5億5,810万元と、提携先の中国生物製薬(01177)が事前に示したガイダンスに届かなかった。医薬品全体の粗利益率は、前年の85.7%に対して91.5%。研究開発費、管理費、販売費はそれぞれ17.8%増、18.3%減、180.3%増の13億2,310万元、1億9,900万元、8億2,330万元に上り、製品販売収入に対して119.8%、18.0%、74.5%の水準。最終損失は前年の10億7,500万元から11億6,800万元に拡大したものの、BOCIの予想より小幅の赤字だった。経営陣は発売後12カ月間のAK104の販売収入について10億元を予想し、2023年に関しては当初12カ月比で20-30%の伸びを見込む。なお、同社は2022年末時点で営業スタッフ652人を抱え、1,500超の医療機関と500以上のDTP(消費者向け直販)薬局をカバーする。

 キャッシュポジション(手元流動性)は2022年末に20億9,000万元。2023年1-3月には前出の米サミット社から、5億米ドル相当の前払金を全額受領した。また、2022年7月22日には楽普生物科技(02157)にライセンスを付与したpucotenlimab(PD-1)が、中国で条件付き販売承認を取得。これにより、マイルストーン(進捗[しんちょく]状況に応じた支払金)と純売上高の7%に当たる特許使用料を受け取る運びとなった。

 BOCIはPD-1分野の競争激化と生産能力面の制約を理由に、AK104とAK105の販売見通しを調整したのに伴い、2023年、2024年の予想売上高を2%、7%減額修正した。また、医薬品の粗利益率見通しを約85%から約91%に上方修正する半面、複数の治験フェーズ3の進行を受け、2023-25年の研究開発費を増額修正。目標株価の算出ベースを半年先送りした上で、DCF方式に基づく目標株価を引き上げた。

 同社はAK104の適応症拡大に向けた治験のほか、複数のパイプライン(製品候補群)の開発プロセスを加速させている。BOCIはレーティング面の潜在リスク要因として、薬事申請の失敗、低調な新製品販売、主要な治験の失敗などの可能性を挙げている。