「人皆西へ行けば東に行け」 

 相場の神様 本間宗久翁の言葉に「人皆西に行けば東に行け」があります。別の言い方をすると、「悲観で買い、楽観で売れ」ということです。マーケットが下落して多くの人が悲観的になり、怖くなっている時に買って、マーケットが上昇して多くの人が楽観的になり、ワクワクしている時に売りなさいということです。

 中長期の視点でみた場合に、「悲観で買い、楽観で売る」ほうがパフォーマンスが上がるように皆さまも思えるのではないでしょうか。その逆の「楽観で買い、悲観で売る」を繰り返したら、資産をどんどん減らしていってしまうだろうことは想像に難くないでしょう。

 皆が「不安だ」と言っている時に、自分だけ逆の動きをする(買い向かう)のは怖いですし、勇気がいることでもあります。多くの人が「不安だ」と言っていたら、普通は「やっぱり不安だよね。まだ下がるよね」となってしまうのです。

 マーケットが下がっている時は、ネガティブなニュースで溢れているので、情報収集すればするほど不安になってしまい、下がれば下がるほど怖くなって売りたくなってしまうのです。

 ただ、大衆が悲観の中、勇気をもって買い向かった結果、パフォーマンスが上がり、「そうか、みんなが不安になっている時に買ったほうがいいんだ」ということを心底体感したら、その後は大衆の逆を行く(悲観で買い、楽観で売る)ことに抵抗がなくなるでしょう。

 投資でうまくいっている人は少ないとよく言われますが、そのゆえんはここにあります。うまくいっている人は大衆とは逆なのです。少数なのです。

「人皆西に行けば東に行け」

 投資で成功していくためにはこのスタンスはとても重要だと感じています。少なくとも自らが一喜一憂している状態の中で判断しないことです。

 波乱相場で多くの人が不安になり一喜一憂している時に一緒に一喜一憂せず、自らの怖れと向き合い、平常心をもって臨んでいくことを心掛けていってください。このことがきっとあなたの中長期的な証券投資での成功につながるでしょう。