需要回復

 新型コロナでまる2年にわたり苦しい状況に追い込まれていたホテル航空関連業界が息を吹き返しています。

 下は国連世界観光機関(UNWTO)がまとめた海外旅行客到着数です。

 なお今日紹介するデータは中国がゼロコロナ政策を止めると宣言する前の資料です。今後中国からの旅行客が増えると思うので2019年につけた過去最高記録の更新は時間の問題です。

 地域別の海外旅行回復状況は次のチャートのようになっています。

 米国と中国にはそれぞれ大きな国内旅行市場があります。しかしこの統計は国外旅行を対象としているためその数字は捕捉されていません。欧州の国々は国土の狭い国が多い関係で国境を越えた場合は欧州域内であっても海外旅行とカウントされている点に注意してください。

 需要回復は欧州がとりわけ顕著で、米州は専ら国内市場の回復に現在は依存しています。

 日本と中国は世界で最後までマスクを着用していることからもわかるように慎重な国民が多いです。

 いずれにせよ世界の全部の旅行市場が動き出すのは時間の問題であり業界の展望は明るいです。

個別企業について

 ホテルでは最大手級のマリオット・インターナショナル(ティッカーシンボル:MAR)がとりわけしっかり経営されていると思います。同社はラッフルズ、セントレジス、リッツカールトン、ダブリュー、ラグジュアリーコレクション、エディション、ブルガリ、JWマリオット、ウェスティン、シェラトンなどたくさんのブランドを展開しています。

 最近、旅行者の嗜好は細分化されてきており自分のライフスタイルにピッタリ合致したホテルを選ぶ消費者が増えています。その点、マリオットは十分バラエティーに富んだブランドを取りそろえています。

 ところでブランドが増えると個々のブランドのネットワーク効果が薄れ集客や得意客のリピート利用が弱くなってしまうリスクが生じます。そこで同社では「マリオット・ボンヴォイ」と銘打ったポイント・プログラムを全部のブランドにあてはめることでスケールメリットを出しています。

 ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(ティッカーシンボル:HLT)も良く経営されています。同社はウォルドーフ・アストリア、LXR、コンラッドなどの高級ブランドを展開していますがラグジュアリー部門はやや他社より見劣りします。

 ハイアット・ホテルズ(ティッカーシンボル:H)はビジネス・エグゼクティブに人気の高いホテルです。新型コロナ以降、出張のあり方が少し変わってきていて、より多くの顧客が仕事と休暇を組み合わせて今までより長期で滞在するパターンが増えています。ハイアットは端正なホテルですがレジャーを兼ねた出張ではやや面白味に欠けると感じる常連客が増えることが懸念されます。

 航空会社ではデルタ・エア・ラインズ(ティッカーシンボル:DAL)が消費者から一番評判が良いです。同社はアトランタ国際空港をハブとしています。財務的に保守的な経営をすることで知られています。

 その他では太平洋路線に強いユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス(ティッカーシンボル:UAL)がいよいよ極東市場の復活で恩恵をこうむることが予想されます。