今日は、2021年12月29日に出した「2022年日経平均予想」のレビューを行います。それとともに、改めて「2023年の日経平均予想」をお伝えします。

「2022年の日経平均予想」振り返り

 最初に、私が2021年12月29日のリポートに出した「2022年の日経平均予想」と、実際の日経平均推移を比較した、以下のチャートをご覧ください。

2022年の日経平均予想と、実際の動きを比較:日経平均の実際の動きは2018年末~2022年12月28日

出所:2022年の日経平均予想(赤のライン)は、2021年12月29日に出した筆者予想。青のラインは実際の日経平均推移

 上のチャートに示した「2022年日経平均予想」を作った理由について、2021年の12月29日のリポートに、以下の通り、書いています。

2022年の日経平均予想の根拠を述べた部分:2021年12月29日「3分でわかる!今日の投資戦略」より、引用

 2022年の日経平均は、「前半が強く、後半は弱い」展開を予想しています。2022年の夏に3万4,000円に達すると予想しています。ただし、年後半には3万1,000円程度(予想レンジ3万~3万2,000円)に下がる可能性があると考えています。

 世界および日本の景気ですが、2022年は1年間を通じて、回復(拡大)が続くと予想しています。ただし、年後半にかけて息切れしてくると予想しています。財政・金融の大盤振る舞いに支えられた急激な回復効果が低下してくると考えています。

 2023年には世界景気はいったん後退(あるいは、かなりの減速)局面を迎えると考えています。世界景気の息切れが視野に入ってくると日経平均は景気が良くても上がらない局面に入ると考えられます。

 リポート全文は、以下からお読みいただけます。
2021年12月29日:日経平均「2021年予想」の振り返りと「2022年予想」

 2022~2023年の世界景気の見方はおおむね正しかったものの、株価の動きは予想と大きく異なる結果となりました。

「2022年は世界景気の回復が続くが、2023年に世界景気はいったん後退(あるいは、かなりの減速)局面を迎える」と予想していましたが、実際の世界景気もそれに近い展開になっています。

 ただし、日経平均の動きは、予想と大きく異なる展開でした。

 2023年にかけて世界景気が悪化してくる影響を、「2022年の後半に受ける」と予想していましたが、実際には「2022年の年初から織り込み始めた」と言えます。

 2022年の世界株安に拍車をかけたのが、2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻です。ウクライナ侵攻を受けて、原油や穀物価格が上昇したことが、世界的な株安を加速させました。

 ロシアによるウクライナ侵攻によって

【1】想定以上に深刻なインフレが世界に広がり、
【2】米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)が急激な利上げを続けざるを得なくなったため、世界的に株が下落して、日経平均も低迷しました。