米国高配当株5:サンコア・エナジー (SU)

 カナダ・アルバータ州カルガリーに本社を置く総合エネルギー企業です。

 オイルサンドの開発・生産・改良、海洋石油開発・海洋ガス田開発、石油精製などを行っている他に、電力、再生可能燃料、水素への投資を通じて低排出企業への変化を推進しつつ、石油資源を開発しています。

 時価総額は465億ドルで、日本円で約6兆5,100億円となっています(USD=140円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「オイルサンド事業(Oil Sands)」で、続いて「石油精製&マーケティング事業(Refining and Marketing)」、「E&P事業(Exploration and Production、探鉱・開発・生産のフェーズ)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「オイルサンド事業」では、アルバータ州北東部のAthabasca oil sandsにて歴青とも呼ばれるビチューメンを採掘・生産しています。

 また、「石油精製&マーケティング事業」では精製・供給・販売事業と、精製品の販売・供給・リスク管理を支えるインフラ事業で構成されています。

競合他社

 競合他社として、ダウンストリームのエネルギー会社であるマラソン・ペトロリアム(MPC)、中流、化学、精製、マーケティング、および専門分野の事業を持つエネルギー製造・物流会社であるフィリップス66(PSX)、石油ベースや低炭素の液体輸送用燃料、石油化学製品の国際的な製造業者および販売業者であるバレロ・エナジー(VLO)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は今年に入ってから増配しています。

 資源価格の高騰による好調な事業環境のおかげで、過去最高の1株当たり配当金と過去最高の自社株買いを行うなどしていることもあり株価は堅調に推移しています。

 潤沢な資金を元手に発行済み債券を早期償還させていますが、サンコア・エナジーの目標額まで負債を減らしたのちは自社株買いを拡大させると発表しており、今後の株価上昇が期待されます。

業績動向

 2022年11月3日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を下回りましたが売上は市場予想を上回りました。しかし、前年同期と比較した場合、1株利益・売上ともに大幅に業績が拡大しています。

「オイルサンド事業」で生産量が拡大するとともに、「石油精製&マーケティング事業」でも製油所の稼働率が上昇しており、さらに資源価格が上昇していることで利益も上がっています。事業環境は好調な状態が続くと会社側も予想しており、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回は2023年2月8日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。 

注意点

 カナダドルで配当金が出たのちに、米ドルでの受け取りとなるため為替レートによって受け取る利息が変動する点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:*1.37ドル
配当利回り:3.97%
株価:34.47ドル(約4,800円)

*サンコア・エナジーは、カナダドルで配当が出ているため、為替上の誤差があります。

 この銘柄、権利落ち日は12月上旬の予定(権利実施は12月下旬予定)です。

 配当利回りは11月9日時点で3.97%、株価は34.47ドルでおよそ4,800円から購入できます(1USD=140円計算)。

 2019年3月からの最高値は42.49ドル、最安値は10.45ドルとなっています(終値ベース)。

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