今日の為替ウォーキング
今日の一言
食べるために生きず、生きるために食べろ
Superstar
「強いドルは国益である」と宣言したのは、民主党のクリントン政権下で1995年から財務長官を務めたルービン氏だ。イエレン財務長官も「(米経済のファンダメンタルズを反映した)強いドルは、当然の結果だ」としたうえで「為替レートは市場で決定されるべき」と述べている。日本の状況を理解しつつも為替介入には批判的な立場だ。
日本の財務省は「国際合意のもとで、各国は急激な為替変動に対して適切に対応していく」と述べている。FRBは自分の家のインフレ対策に手一杯で他国の経済事情など構ってる余裕はないから、もはや自分たちで何とかするしかないということだ。もっともFRBは世界の中央銀行ではないので、アメリカ・ファーストでドル高政策を続けるFRBに文句を言ってもしょうがない。
円安が困ると考えているなら、日銀がYCC(イールドカーブコイントロール)政策を修正することが唯一の現実的な選択肢である。しかし黒田総裁は「大規模金融緩和の継続」の方針を修正するつもりはないと国会で証言した。岸田首相は円安を止めるのではなく「円安メリットを生かす」経済政策を発表した。政府・日銀は「弱い円は国益である」と考えているのだ。
11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBは4会合連続の0.75%大幅利上げを実施した。今後の利上げ幅は徐々に下がるとの予想が増えているが、利上げを止めるわけではない。「大幅前倒し利上げ」を「利上げ幅は低く、終着レートは高く」に変更しただけだ。FF金利が5.00%台に到達するのが早いか遅いかの問題であって、行くか行かないかではない。
マーケットではドル資金の流動性が大きく圧迫され、米国以外の国々は異常に高いコストを払ってドルの資金調達をしている。年末に向けて状況はさらに厳しくなっているのが現状だ。
黒田日銀総裁は「このままドル高が続くと考えている人は、ワシントン出張時に会った人の中でほとんどいなかった。」と楽観的だ。黒田総裁が話したワシントンの人間が為替の専門家だったのかはわからない。