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人間は、自らが作り出した道具の道具になってしまった - ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
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BLS(米労働省労働統計局)が11月4日に発表した10月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)は、堅調なヘルスケア部門や製造業の雇用に支えられ、事前予想(19.0万人増)を超える26.1万人増となった。2022年の1月から10月までの平均雇用増は42.9万人。2021年の54.8万人と比較すると、雇用の伸びは鈍化。また失業率は3.5%から3.7%に上昇した。
平均労働賃金の前年比は、今年3月の5.6%がピークで10月は4.7%まで低下。一般的に、企業が従業員の確保に苦労している環境では残業が多くなるものだが、10月のデータは労働不足の解消が進んでいることを示している。
19歳以上の米国人口のうち、働く意欲がある人の割合を示す「労働参加率」の10月は62.2%で、前回の62.3%から僅かに低下した。
労働参加率の低さの原因は、労働力のリソース枯渇、つまり米国が構造的な労働力不足になってしまったということだ。一方で、米国では毎日のようにスタートアップ企業(まだ世に出ていない新たなビジネスモデルを開発する企業)が生まれている。そこで働く人が増えているが、この人数はまだ統計には十分反映されていない。労働市場の急な構造変化に雇用統計が追いついていないのだ。
若い人たちが旧モデルのビジネスよりも、新しいビジネスで働くことを選択する。その結果が統計上の労働参加率の低下の理由だとするならば、それはむしろ米経済の力強さであって、過度に心配することはないのかもしれない。
10月雇用統計の詳細については「「雇用が減る」と、なぜFRBは喜ぶのか?インフレ時代の雇用統計の読み方」をお読みください。