今日の為替ウォーキング
今日の一言
逆境の中で咲く花は、どの花よりも貴重で美しい - ウォルト・ディズニー
Get A Grip
「このままドル高が続くと考えている人は、ワシントン出張時に会った人の中でほとんどいなかった。」
黒田総裁は18日の衆院予算委員会で、ドル/円が32年ぶりの149円をつけたことに関してこのように述べた。「そんなに円安に神経質になりなさんな」という意味だろう。しかし、もしこれが黒田総裁の本意であれば懸念すべきことだ。
11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)が4会合連続の0.75%利上げを実施することは確実とみられている。現在3.25%の米国の政策金利のFF金利は、来年3月には5.25%に到達する予想だ。
ドル資金の流動性は大きく圧迫され、米国以外の国々は異常に高いコストを払ってドルの資金調達をしている。年末に向けて状況はさらに厳しくなるなかで、中央銀行の最高責任者がそれを認めないような発言をしたことで、海外のマーケットは、逆に円安に対する確信を強めているようだ。
中央銀行は、インフレ率を下げるために賃金コストを下げようと考える。しかし実質所得が悲惨なほどマイナスになっている現在の状況においては、この政策は通用しない。
そのかわり、需要を抑制することによって、企業の価格決定力と利益率を弱めようと考える。中央銀行は原油価格や天然ガス価格の上昇を直接コントロールすることはできないからだ。
したがってインフレを引き下げるためには利益率をさらに低下させる必要がある。需要減速は、所得の減少や雇用の減少、あるいは雇用安定への懸念の高まりによって引き起こされる。