今日の為替ウォーキング
今日の一言
資産のある人は、才能のある人ではなく、幸運なイベントに多く遭遇した人である
Hush
9月の雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)は、レジャー部門やヘルスケア部門の雇用が堅調で、事前予想(25.0万人増)をやや超える26.3万人増となった。2022年の1月から9月までの平均雇用増は44万人。2021年の同期間の55万人と比較して、伸びは鈍化している。
失業率は3.7%から3.5%に低下。労働力参加率は62.4%から62.3%とほぼ横ばいだった。
FOMCは今年3月から利上げサイクルを開始して、6月からは0.75%という大幅な利上げを3期連続で実施している。2月に0.00-0.25%だった米国の政策金利であるFF金利は、7カ月間のうちに 3.00-3.25%まで引き上げられた。
それにもかかわらず、失業率は上がるどころか、史上最低水準の3.5%まで下がっている。利上げが思ったような効果を上げていないのだ。しかしFRB内部では意見が分かれているようだ。もっと大胆に利上げするべきと主張する積極派と、過剰な引締めはかえって経済を破壊すると考える慎重派だ。
パウエルFRB議長の希望は、雇用削減による失業率上昇ではなく、労働力人口の増加による失業率の押し上げである。2022年の1月から9月までの月平均雇用増は44万人で、2021年の同期間の55万人と比較して、伸びは鈍化している、このことは、米労働市場が利用可能な労働力リソースをほぼ使い果たしてしまった可能性を示唆する。労働供給力がこれより大幅に増える期待が薄いということである。
そうであれば、失業率を上げる手段は、不況とリストラによる雇用喪失しか選択肢はない。
9月雇用統計の詳しい解説については、「労働者は消えた」は本当か? いよいよ始まる人材の「在庫整理」 9月米雇用統計 詳細レポートをご覧ください。