「ラッセル2000」は年初来安値をギリギリ回避
景況感の悪化については、景気動向の影響を受けやすい中小企業銘柄で構成されている米国の株価指数である「ラッセル2000」の動きが参考になることが多いのですが、先週の動きを見ると、6月につけた年初来安値の更新をギリギリのところで回避しています。
ただし、相場が「景況感の悪化がまだ織り込みきれていない」となった場合、もう一段階の下落が考えられます(下の図5)。
図5 米ラッセル2000(日足)の動き (2022年10月14日取引終了時点)
そのため、足元で株価の戻り基調が続く見込みであっても、再び下落に転じる警戒は解けず、まずは、直近で本格化している企業決算の動向が焦点になりそうです。
今週の米国では、先週に引き続き、ゴールドマン・サックスなどの大手金融機関のほか、テスラやネットフリックス、IBM、P&G(プロクター&ギャンブル)、J&J(ジョンソン&ジョンソン)など、注目の米企業決算が相次ぎます。
これまで見てきたように、足元の株価は実際の相場の温度感よりも値動きが大きくなりがちであるため、しばらくは読みにくく、上げ下げを繰り返す展開が続くかもしれませんが、その裏には「買い場をめぐる思惑」が働いている要素が含まれていることをしっかりと押さえておきたいところです。