米国高配当株5:デル・テクノロジーズ(DELL)

 ITインフラサービス、マルチクラウド環境での管理システム構築、働き方改革への対応などさまざまなビジネスソリューションを顧客企業へ提供しています。

 約180カ国で事業を展開するとともに、世界トップクラスのサプライチェーンを所持していることで、スケールメリットを生かした事業展開を行っています。

 時価総額は295億ドルで、日本円で約4兆2,000億円となっています(USD=143円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「クライアントソリューショングループ事業(Client Solutions Group)」で、続いて「インフラソリューショングループ事業(Infrastructure Solutions Group)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「クライアントソリューショングループ事業」では広く認知されているパソコンのデルの販売や、法人向けにITサポートの導入、設定などの事業を展開し、「インフラソリューショングループ事業」ではマルチクラウドとビッグデータソリューションを介し、顧客へDXサービスを提供しています。

競合他社

 競合他社として、エッジツークラウドのサービスとしてのプラットフォーム企業であるヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、同社は中小企業、政府、学校、医療機関などにサービスを提供するグローバル情報技術企業であるインサイト・エンタープライジズ(NSIT)、テクノロジー製品とソリューションを提供するスキャンソース(SCSC)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移していますが、配当は今年2月に配当方針が承認され、4月から配当がスタートしました。

 昨年はコロナに対応するため顧客企業の需要が高まりましたが、今年はその需要が一服したことで業績が停滞し、株価は年初の水準を下回って推移しています。

 しかし、自社株買いを行い、配当を開始するなど株主還元に取り組んでいることもあり、それらが継続されることで今後株価が回復していくことが期待されます。

業績動向

 2022年8月25日開示の四半期決算では1株利益は市場予想を上回りましたが、売上は市場予想を下回りました。

 決算を受けて株価は下落し、まだ決算前の水準まで回復していません。

 第2四半期として過去最高の売上を達成したものの市場予想に届かなかったことや、1株利益が前年同期比を下回ったことも株価下落の理由となりました。

 しかし会社側は、厳しい環境下でありながら優れた業績を達成することができたと述べており、自社のビジネスが今後も顧客に必要とされる可能性が高く、今後数年間で業績がさらに拡大していく可能性があるとの見解であり、これからの株価回復が期待されます。

 次回は2022年11月23日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。 

注意点

 配当金は今年から始まったこともあり、過去の履歴から推測することができず、思った以上に配当金が受け取れない可能性があることには注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.32ドル
配当利回り:3.27%
株価:40.30ドル(約5,700円)

 この銘柄、権利落ち日は10月18日(権利実施は10月28日)です。

 配当利回りは9月13日時点で3.27%、株価は40.30ドルでおよそ5,700円から購入できます(1USD=143円計算)。

 2019年からの最高値は69.80ドル、最安値は26.23ドルとなっています(終値ベース)。

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