今日の為替ウォーキング
今日の一言
素早く動いて物事をブッ壊せ。もし壊せないなら、十分なスピードで動けていないからだ。- マーク・ザッカーバーグ
Tout, Tout Pour Ma Chérie
日銀は、先進国中央銀行界の異端児と呼ばれる。米国、欧州、英国、豪、そしてスイスまでがインフレ抑圧を最優先事項に掲げ、利上げに走っているのに、日銀だけは「日本の経済や物価情勢は金融政策の正常化を進める状況にはなく、必要であれば追加緩和をすることをためらわない」。
黒田日銀のやり方は、インフレの上昇に対してハト派姿勢を強調することで、より効果的な緩和状態を生み出そうとするものだ。物価高にさらに「火に油を注ぐ」のだ。そこまでして何を燃え上がらそうとしているのか?それは日本人の「インフレ期待」だ。
新型コロナによるサプライチェーンの崩壊と、ウクライナ戦争の影響によるエネルギー価格高騰で、4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は2.1%と、日銀が標榜する物価目標2.0%を超えた。来年退任を迎える黒田日銀はこの最大にして最後のチャンスを捕まえて離したくないから、間違っても、円安を止めるなどして、物価を下げることはしないだろう。
円安を止めるための「円買い介入」はあるのか?可能性を排除しないと期待するのは自由だが、実現性は低い。円安の原因は、先進国の中央銀行が利上げに向かう中で日銀だけが大規模な緩和政策を継続しているからだ。円安の根本原因をそのままにして介入すれば、かえって円相場が無秩序になるリスクを高め、通貨を安定させるという介入の目的に反することになってしまう。円安を本当に止めたいなら、介入に頼る前に、日銀が金融政策を見直さなくてはいけない。
外国為替は二国間の通貨の交換だから、そもそも日本が勝手に行うことはできないのだが、イエレン財務長官は(円買い/ドル売り)為替介入の可能性を強く否定した。為替介入は「できない」ということで結論が出た。
政府日銀が円安を求めていることを考えると、140円台を超えても介入はしないが、逆に120円台に急落した時は「円高防止介入」をする可能性があるかもしれない。