今日の為替ウォーキング

今日の一言

虎の尾をつかんだ者は、うかつに手を放せなくなる

Rich Girl

 イエレン米財務長官は、米上院財政委員会の公聴会において、米国のインフレを「一過性」と評価していたのは「間違い」であったことを認めた。FRB(米連邦準備制度理事会)に限らず、世界の中央銀行は物価のコントロールを失い、インフレ期待の不安定化を防ぐために、利上げの大幅前倒しの傾向を強めている。

 今週はRBA(豪準備銀行)が、予想を上回る0.5ポイントの利上げに踏み切った。今夜はECB(欧州中央銀行)が政策金利を発表する。

 ECBは前回4月14日に行われた理事会では、政策金利(主要金利)を0.00%、貸付金利(上限金利)を0.25%、そしてデポ金利(下限金利)を▲0.5%に据え置いた。ECBは、量的緩和政策であるAPP(債券購入プログラム)を「第3四半期」に終了した後、利上げを行うとの声明を発表している。

 ところが、7月の利上げがほぼ確実といわれている。わずか2カ月のうちに、利上げ時期が約半年も前倒しになったのだ。利上げ幅も緩やかどころか、0.5ポイント利上げして、ゼロ金利を一気に終了する可能性が高まっている。

 ただFRB(米連邦準備制度理事会)はその先を走る。先月は、効果測定のために9月の利上げは休止する、利上げしても0.25ポイントだろうという見方がひろがっていた。ところが最近の予想によると、FRBは6月、7月に続いて 9月の3会合連続で0.5ポイント利上げをし、さらには11月にも4回目の0.5ポイント利上げの可能性があるという。

 タカ派豹変のECBでユーロ買い。しかし、ドルを売ってまでユーロを買うほど優位性がない。ユーロを買うなら、対ドルよりも対円が「安全・確実」というのがマーケットのコンセンサスになっている。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成