今日の為替ウォーキング
今日の一言
灼熱の炎に磨かれる黄金のように、試練によってこそ人は高められる – 大友宗麟
Don't Bring Me Down
世界経済や米国経済の見通しは不透明だ。唯一確かなことがあるとすれば、FRBの予測が間違っているということだろう。失業率を過去最低水準の3.5%に維持しながら、同時にインフレ率を2%まで下げることができると信じるのはナンセンスだ。そのどちらかでしかない。すなわち、低失業率と高インフレになるか、あるいは逆の高失業率と低インフレか。可能性がより高いのは「高失業率と低インフレ」のカップルだろう。米経済は今後、低インフレと低金利の前段階に戻る可能性がより高いと考える。
FRBは、米経済は堅調に拡大を続け、失業率は完全雇用の水準が続くと考えている。FRBは3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、2022年の米経済の成長見通しを12月時点の4.0%から2.8%に引き下げたが、それでも長期トレンドをまだ1.0%上回っている。2023年と2024年の成長見通しは2.2%と2.0%だ。失業率については、2022年と2023年は3.5%の予想だ。2024年は0.1ポイントとわずかに上昇して3.6%。これらの予想が何を意味するかと言うと、FRBは利上げとウクライナ戦争が、来年以降の米経済に影響すると「考えていない」ということだ。
5月のFOMCにおいてパウエルFRB議長は、FOMCがインフレ下落を確認するまでは、「ちゅうちょなく」金融引き締めをするという強い意志を示した。
米経済のソフトランディングに関するFRBの議論は、利上げによって緩やかな減速を実現するというものから、「不況になったとしても」、短くそれほど深くないというシナリオへと発展している。すなわち、インフレを抑えるために、FRBが需要を抑制する用意があり、一時的な不況も容認するという水準まで一段ギアアップしたことを暗黙のうちに認めたということだ。