今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは131.90

下値メドは127.65

米経済:消費者支出が大幅減。低所得者層がコロナ給付金を使い果たし、需要が元に戻る
カナダ中銀総裁:「中央銀行は信頼の源であるべきで、不安の源であってはならない」
FRB:ジョージ総裁「中立金利は2.5%」
スイスフラン:SNBの6月利上げ確率が50%に上昇
エネルギー危機:英国、フランス、ドイツがガソリン税を減税
ロシア:ロシア中銀の利下げはインフレ低下による需要減も理由
南アランド:干ばつが深刻化
欧州景気:新型コロナによる供給不足は回復、しかしウクライナ戦争で需要は後退

 6月1日(水曜)のドル/円は「円安」継続。
 24時間のレンジは128.65円から130.19円。値幅は1.45円。 

 2022年の108営業日目は128.66円からスタート。東京時間朝につけた128.65円が安値で全く下がらなかった。東京市場で129円台にのせると、NY市場では5月12日以来約3週間ぶりとなる130円に到達、さらに明け方には130.19円をつけた。終値は130.15円(前日比+1.45円)で、2営業日連続で1円を超える上昇。

 この急なドル/円上昇の理由はなにか。ドル高要因としては、5月FOMC(米連邦公開市場委員会)が近づくなかで、ウォーラーFRB(米連邦準備制度理事会)理事の発言などから、改めてFRBの強気姿勢を確認したことだろう。

 ウォーラー理事は「インフレの制御がFRBにとっての最優先課題であり、そのためには5月だけでなく、その後も複数会合にわたって0.5ポイントの利上げが妥当」だと述べている。

マーケットはすでに織り込んでいるとはいえ、FRB高官が公式に認めたことは重要であり、米長期金利は3.00%近くまで上昇している。

 一方、円安要因としては日本経済に対する懸念。EU(欧州連合)がロシア産原油の禁輸を決定したことで、エネルギー価格を押し上げている。日本政府も対ロ経済制裁を強化する構えだが、日本のエネルギー安全保障政策は、「国民はテレビを1つの部屋でまとまって見る」くらいしか持っていないようだ。昨年以上の猛暑になるといわれる今年の夏は、大規模停電リスクが高くなっている。日本経済に対する懸念が円売りにつながった。

レジスタンスは、
130.81円(05/11)
131.35円(05/09)
132.40円(2002.04)

サポートは、
128.65円(06/01)
127.50円(05/31)
127.65円(200時間移動平均)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

灼熱の炎に磨かれる黄金のように、試練によってこそ人は高められる – 大友宗麟

Don't Bring Me Down

 世界経済や米国経済の見通しは不透明だ。唯一確かなことがあるとすれば、FRBの予測が間違っているということだろう。失業率を過去最低水準の3.5%に維持しながら、同時にインフレ率を2%まで下げることができると信じるのはナンセンスだ。そのどちらかでしかない。すなわち、低失業率と高インフレになるか、あるいは逆の高失業率と低インフレか。可能性がより高いのは「高失業率と低インフレ」のカップルだろう。米経済は今後、低インフレと低金利の前段階に戻る可能性がより高いと考える。

 FRBは、米経済は堅調に拡大を続け、失業率は完全雇用の水準が続くと考えている。FRBは3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、2022年の米経済の成長見通しを12月時点の4.0%から2.8%に引き下げたが、それでも長期トレンドをまだ1.0%上回っている。2023年と2024年の成長見通しは2.2%と2.0%だ。失業率については、2022年と2023年は3.5%の予想だ。2024年は0.1ポイントとわずかに上昇して3.6%。これらの予想が何を意味するかと言うと、FRBは利上げとウクライナ戦争が、来年以降の米経済に影響すると「考えていない」ということだ。

 5月のFOMCにおいてパウエルFRB議長は、FOMCがインフレ下落を確認するまでは、「ちゅうちょなく」金融引き締めをするという強い意志を示した。

 米経済のソフトランディングに関するFRBの議論は、利上げによって緩やかな減速を実現するというものから、「不況になったとしても」、短くそれほど深くないというシナリオへと発展している。すなわち、インフレを抑えるために、FRBが需要を抑制する用意があり、一時的な不況も容認するという水準まで一段ギアアップしたことを暗黙のうちに認めたということだ。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:豪ドル/円

今週の予想レンジ ↑94.53円  ↓91.84円

 今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は93.19円。
93.19円より上ならばユーロ買いが優勢、93.19円より下ならばユーロ売りが優勢。

95.74円    :     2022年 高値
95.04円    :     第4 レジスタンス(HBO)

94.53円    :     第3 レジスタンス
94.02円    :     第2 レジスタンス
94.02円    :     05月 高値

93.86円    :     第1 レジスタンス

93.19円 : ピボット

92.51円     :     第1 サポート
92.35円     :     第2 サポート 

91.84円     :     第3 サポート
91.33円     :     第4 サポート(LBO)

90.66円    :     05月 平均値

87.30円     :     05月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成