インフラ建設投資、2022年下期の加速見通しが追い風に

現地コード 銘柄名
00390

中国中鉄股フン有限公司

(チャイナ・レールウェイ)

株価 情報種類

5.38HKD
(5/25現在)

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 中国のインフラ投資(固定資産投資)は2022年1-3月に力強い伸びを示した後、4月に鈍化した。ただ、BOCIは国内経済の減速を理由に、下期には景気対策の一環としてインフラ投資が加速するとの見方。2022年通年で前年比5-8%増を見込み、状況次第では8-10%増に加速する可能性もあるとみる。インフラ建設プロジェクトは主に地方政府が手掛けるが、2022年には特に、地下鉄投資が前年比8%拡大し、前年の同6.7%減から大きく持ち直すと予想。ゼネコン大手では、中国中鉄の成長率が業界平均を上回るとみて、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 BOCIによれば、中国の今回の景気回復サイクルは前回(2020年)より鈍く、長期間を要する見込み。市場の信頼度の回復が難しい状況にある。こうした中、景気の安定化にはインフラ投資が重要な役割を果たすとみられ、政府当局は実際、インフラ投資の履行やREIT(不動産投資信託)の活用などを繰り返し推奨している。BOCIはうちインフラ投資の履行について、6月からの加速を見込む。

 地方政府が手掛けるインフラ投資では、地下鉄建設がけん引役の一つとなる見込み。景気回復トレンドが鮮明だった2021年上期には、地下鉄建設の必要性が薄れ、不適格とされた一部の都市がプロジェクトを中止。結果的に過去8年間にわたって高成長を維持してきた地下鉄投資が、2021年には前年比6.8%のマイナスに転じた。ただ、2022年に入ってからは再び必要性が高まっており、多くのプロジェクトが建設再開に向けて認可を取得済み。BOCIは地下鉄投資の前年比8%増を見込み、実際にはこの予想を上回る可能性を指摘している。

 短期的には、インフラ投資は政策主導型で進む見通しだが、長期的には政策と不動産開発投資の両輪がけん引する見込み。地方のプロジェクトにおいては、現地政府が土地使用権の譲渡収益を確保し、さらに公共インフラ(地下鉄や道路、病院、学校など)の開発がその価値を高めることになる。地方レベルでは、不動産開発がインフラ投資のけん引役の一つになるという。

 BOCIは同社の目標株価を維持し、2021年11月から続く強気の判断を維持した。一方、レーティング面での潜在リスク要因としては、土地使用権の売却状況が予想を下回った場合、地方政府の投資意欲が減退する可能性を指摘している。