EV需要の高まりとリチウムの供給不足

 BEVの普及に伴い、EV用リチウムイオン電池の製造やリチウム鉱山など、BEVのサプライチェーン全体で膨大な成長機会が生まれるとGlobal Xは予想しています。

 グローバルの電気自動車用電池の生産能力は、2020年の631GWhから2030年には2,913GWhと、今後10年間で爆発的に増加すると予測されています。欧州は、中国以外では最も急速にEV用電池の生産が成長している地域になりつつあります。

 この地域のEV用バッテリーセル生産パイプライン容量は、2030年までに789GWh超に増加する可能性がありますが、これは毎年1,500万台のBEVを生産するのに十分な量です。逆に、リチウム市場は、新型コロナウイルス感染拡大による新規採掘プロジェクトの遅れから、2022年に過去最大の供給不足に陥る見込みです。

 長期的な赤字、EVのコスト上昇、EV需要の後退を避けるために、今後数年間にわたり現在の計画よりもさらにリチウム採掘を急速に増加させる必要があります。

バッテリーEVのサプライチェーン全体で投資機会が創出される可能性

 気候変動抑制のための世界的な取り組みの一環として、EVが市場シェアを拡大する軌道に乗っているとGlobal Xは考えています。投資家にとっては、販売中および開発中のBEVの車種数の増加や、急速に拡大する充電ネットワークにより、BEVのサプライチェーン全体で投資機会が創出される可能性があります。

 重要な点として、リチウム採掘と電池製造は今後、需要を満たすために、またBEVの成長を実現するために、製造を拡大する必要に迫られることになるでしょう。

 BEVのサプライチェーンに関連する投資対象として、リチウムの採掘・精製、リチウム・バッテリー関連、EVメーカーなど、リチウム業界に関わるグローバル企業への投資を目指す「グローバルX リチウム&バッテリーテック ETF(LIT)」があります。

 当ETF(上場投資信託)の対象株価指数は2020年以降、全世界株価指数(MSCI ACWI)を上回って推移していますが、EVの普及はまだ始まった段階であり、将来の成長余地は相当大きいと推定されます。

(ご参考:2022年4月14日付GLOBAL X ETFリサーチ「温室効果ガス排出量削減に向けたバッテリーEVと水素燃料電池EVのタッグ」