関連銘柄の株価が先行きを表す

 このように先行きが見通しにくい状況下で、ひとつのよりどころとなるのが株価の動向でしょう。投資家がどのように見ているのかについて、関連銘柄の株価に如実に表れることは、過去の多くの場面でも参考にできたことです。

 コロナ変異株の出現(デルタ株、オミクロン株)によって、期待と失望を繰り返してきた経緯があり、そのたびに関連銘柄の株価は上下を続けてきました。感染拡大収束時、インバウンド消費回復期待でもてはやされることが多かった銘柄のここ1年の株価動向をおさらいしておきましょう。

インバウンド消費回復期待で注目された銘柄の株価動向

 株価データは2022年5月25日終値ベース。

オリエンタルランド(4661・プライム)

・1年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

ANAホールディングス(9202・プライム)

・1年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

日本空港ビルデング(9706・プライム)

・1年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

共立メンテナンス(9616・プライム)

・1年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

寿スピリッツ(2222・プライム)

・1年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

 強弱感が対立する動きとなっています。もちろんこれら銘柄の動きの全てをインバウンド消費で語ることはできず、オリエンタルランドのように市場予想よりも保守的な今期業績見通しを発表したことから失望された銘柄もあります。

 ただ、ここまでの動きの中で、ほとんど要素として含まれていない、予想がつかないこともあります。それは「急な円安」です。外国人訪日客にとって日本の物価が安く感じられ、結果的に日本の魅力を増すことに貢献する可能性もあります。

 この環境下で、日本政府が迅速にさらなる水際対策の緩和を打ち出すか否かが焦点となりそうです。サマーシーズンに向けて目を離すことはできないでしょう。ここでは先んじて、インバウンド消費関連株の中から10万円で投資可能な銘柄を参考として取り上げます。