今日の為替ウォーキング

今日の一言

「神が何であるか」を言い表すことはできないが、「神が何でないか」は明確にできる

A Song For You

 先進国の中央銀行は「景気刺激・経済成長」と「インフレ退治」のどちらを優先するべきかで悩んでいる。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は、経済成長を犠牲にしてもインフレ退治を徹底する考えで、今後も会合の度に利上げをしていく考えだ。利上げも0.25ポイント刻みでは足りないと、0.5ポイントに倍増した。さらにバランスシート縮小も6月から開始する。

 ECB(欧州中央銀行)も、7月の利上げが確定的だ。ECBが利上げすれば、(日銀とマイナス金利同志だった)SNB(スイス国立銀行)も行動する。スイスフラン安による国内インフレ悪化を予防するためだ。SNBの利上げ予想はECBの前、6月と大幅に前倒しされた。

 日銀も悩んでいるという点では同じ。ただ、日銀は優先順位が他の中央銀行と逆だ。日銀は、「インフレ退治」よりも「経済成長」に重点を置く。大規模緩和を続け円安を放置することで、黒田日銀はインフレ目標を達成するかもしれないが、経済成長は犠牲になるだろう。

 もっとも、エネルギー価格が急騰し、消費需要が後退するなかで利上げすることが果たして適切なのかという問題もある。このことに一番頭を悩ませているのはBOE(イングランド銀行)だろう。

 インフレを抑制しようと世界の主要中央銀行が利上げを急ぐ中で、あえて国内インフレを煽る政策をとる日銀の政策は、遠からず限界を迎えるというのがマーケットの見方だ。日銀が金融引き締めをぎりぎりまで先延ばしした結果、何が起きるか。それは、より急峻かつより大幅な利上げである。インフレは一過性として利上げを見送ってきたFRBは、今では0.25ポイントの利上げではインフレに追いつかなくなってしまった。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成