2021年13月期はペット食事業の寄与で11%増収、国内ビジネスの逆風続く

現地コード 銘柄名
01112

健合国際控股

(ヘルスアンドハピネス・インターナショナル)

株価 情報種類

8.20HKD
(5/12現在)

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 中国の粉ミルク・サプリメント大手、健合国際の2022年1-3月期の売上高は前年同期比11.5%増と、ほぼ大方の予想通りの水準に達した。ANZ(オーストラリアとニュージーランド)市場および米国市場が好調だった。ただ、BOCIは中国ビジネスが新型コロナ感染の再燃やその他の要因で、依然として逆風下にあるとの見方。同社事業の先行きを慎重に受け止めながらも、現在株価のバリュエーションから一段の下値余地も限られるとみて、株価の先行きに対して中立判断を継続している。

 1-3月期の売上高は前年比11.5%増の26億8,320万元。為替変動の影響を除外した場合は7.0%の増収だった。乳幼児用栄養食品・ケア製品を扱う「BNC」部門の売上高は9%減の15億3,100万元にとどまるなど依然低調だったが、その他部門が好調。豪サプリメントブランド「Swisse」を扱う成人用の栄養食品・ケア製品部門「ANC」と、ペット栄養食の「PNC」部門がそれぞれ34%、145%の増収を達成した。PNCの急成長に寄与したのは、米Zesty Pawsの買収(2021年10-12月に収益貢献)。BOCIはこの効果を除外した場合、同期売上高は1桁台前半の伸びにとどまったとみている。

 ANC部門の売上高は1-3月に好調だったが、経営陣はこれが4-6月、あるいは年内も続くとはみていない。1-3月の力強い増収が、販売代理店による在庫補充需要によるものであったため。ロックダウンに起因して物流の混乱が予想される環境にあったことも1-3月の販売を後押しした。BOCIは2022年通期のANCの売上高について、前年比1桁台後半の伸びを見込む。

 市場環境の急速な変化にもかかわらず、経営陣は3月に示した2022年通期見通しを据え置いた。粗利益率は前年比1-2ポイント低下しつつも、PNCを除く各部門のEBITDA(利払い・税引き・償却前損益)マージンは前年並みで推移するとの見方。BOCIは国内のコロナ再燃を理由に、この先さらに不確実性が増す可能性を指摘しながらも、12月通期の増益決算が期待できるとみる。新たに買収したペットフードビジネスの貢献が理由という。

 BOCIは2023年予想PER(株価収益率)5.5倍をあてはめた目標株価を据え置き、株価の先行きに対する中立見通しを維持した。5.5倍という数字は5年平均のフォワードPER16倍を2標準偏差の幅で下回る水準となる。

 一方、レーティング面の潜在的な上振れ要因は、予想を上回る全事業部門の売り上げ計上やコストの低減、製品ミックスの優良化などの可能性。逆にレーティングの下押しにつながる潜在リスクとしては、出生率の低下を背景とする予想以上の競争激化や、インフレ圧力の高まりなどの可能性を挙げている。