1-3月の小売額は20%台の伸び、コロナ感染による逆風も通期見通しは良好

現地コード 銘柄名
02331

李寧

(リネイ)

株価 情報種類

59.30HKD
4/20

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 中国のスポーツウエア大手、李寧の2022年1-3月期の小売販売額は、前年同期比20%台後半の伸びだった。前年同期実績が高かった上に、3月の新型コロナ感染の再燃が響いたにもかかわらず、相対的に高い伸びを確保した。BOCIは4-6月も逆風が続くとしながらも、2022年通期では、「前年比10%台後半-20%台前半」という増収目標を達成する可能性が高いとみる。また、強力なブランドエクイティ(ブランド資産価値)と小売経営能力の改善を理由に、同社株価が同業銘柄をアウトパフォームするとの見方。株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

 2022年1-3月期の小売販売額は前年同期比20%台後半の伸び。同80%台後半の急増を記録した前年同期から、さらに上積みした。ネット通販(EC)チャネルにおける30%台半ばの伸びが寄与した形(前年同期は同100%超の増加)。オフラインも20%台半ばの伸びを確保した(前年同期は80%台前半の増加)。店舗別では、直営店の小売販売額が30%台半ばの伸びとなり、代理店の20%台前半を上回った。

 前年同期実績の異常なほどの高さは、新疆綿問題を受けた中国での海外ブランドの不買と国内ブランド買い、人気俳優兼歌手の肖戦氏のブランドアンバサダー起用が背景。こうした要因やコロナ感染の再燃が、2022年3月(特に下旬)の売り上げ伸び率を圧迫した。BOCIは1-2月の段階で、オフライン、オンライン売り上げが40%台、70%台の高い伸びを達成し、1-3月の増収を支えたとみている。局地的なロックダウンが続く中、4-6月も厳しい事業環境が続く見込み。ただ、経営陣が3月18日の決算会見で示した2022年通期目標は、「前年比10%台後半-20%台前半の増収」と「10%台後半の純利益率」。BOCIはかなり控えめな数字と受け止め、目標達成は可能とみる。

 既存店売上高は1-3月期に前年同期比20%台前半の伸び。ECが30%台半ば、直営店が20%台半ば、代理店が10%台の伸びだった。BOCIによれば、販路の在庫レベルは約4カ月分(2021年は3.9カ月)で、滞留状況は健全。値引き率は小幅に改善した。一方、「李寧」ブランドの直営店は1-3月に12店の純増、代理店は75店舗の純減で、3月末の総店舗数(5,872店)は年初比で63店の純減。店舗数の上乗せではなく、営業レバレッジの改善による店舗生産効率の向上が、小売販売額の伸びを後押ししたとみられる。

 BOCIは2022-2024年の予想純利益を47億4,100万元、56億6,900万元、64億9,400万元(2021年実績は40億1,100万元)に据え置くとともに、2022年予想PER(株価収益率)46倍に基づく目標株価を維持。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 レーティング面のリスク要因としては、新型コロナ感染の長期化や小売事業改革の失敗、ブランドエクイティの劣化、若年層向けの「中国李寧」ブランドの人気低下などの可能性を挙げている。