大腸がんの分子スクリーニングで独占的地位、主力の「ColoClear」が成長けん引へ

現地コード 銘柄名
06606

諾輝健康

(ニュー・ホライゾン・ヘルス)

株価 情報種類

21.40HKD
(4/13現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 諾輝健康は中国の大腸がんスクリーニング検査のパイオニアで、胃がん、子宮頸がん、肝臓がんなどの検診ビジネスも手掛ける。BOCIは同社を高く評価している。主力製品である大腸がん向けFIT-DNA検査器「ColoClear」(中国語名:常衛清)は国内で唯一、中国国家薬品監督管理局が承認した分子レベルの大腸がんスクリーニング検査器であり、向こう5年間、直接の競合は現れないとの見方(FITは便潜血検査、DNAは便中のDNA検査)。2021年12月通期の好決算と国内の大腸がん分子スクリーニング市場での独占的地位を理由に、2022-2024年の予想売上高を3.8-21.4%増額修正した。金利の変動などによる影響を加味し、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIは主力の「ColoClear」について、技術的な障壁の高さを指摘。以下の3点において、売り上げ成長がこの先加速するとみている。◇2021年の出荷分の多くが2022年度に収益計上される、◇病院向け販売の比重拡大により、平均出荷価格の上昇が見込める、◇取引先の病院ネットワークの拡大や地域的な広がりで販売数量の伸びが見込める。経営陣は2022年に営業チームを600人規模に拡大し、取引先医療機関を600カ所増やすとの目標を掲げる。売上高は前年比100-150%増加する見通しという。

 ラボ検査が必要な「ColoClear」とは異なり、胃がんの原因となるピロリ菌の有無を測定する「UU Tube」(幽幽管)とFIT検査の「Pupu Tube」(ボクボク管)は家庭用の検査用キットであり、若年層を中心とする消費者に幅広く受け入れられている。「Pupu Tube」はO2O(オンライン・ツー・オフライン)チャネルや2B(企業向け)チャネルを含む優れた販路を持ち、2022年1月に発売されたばかりの「UU Tube」も、この販路に乗せることが可能。一段の売り上げ加速に向けたエンジンとしての期待がかかる。

 BOCIは向こう3年間の大幅増収と利益率の拡大を見込む。平均販売価格の上昇やスケールメリットの拡大、ラボ稼働率の改善を受け、粗利益率は2022-2024年に段階的に上向くと予想。2025年の時点で、90%で安定するとみる。この数字は経営陣のガイダンスと一致するという。また、販売費の対売り上げ比率については、2024年に50%まで低下するとの予測を明らかにしている。

 BOCIは金利の上昇を理由に、DCF方式に用いるWACC(加重平均資本コスト)を9.4%から11.0%に引き上げ、「LiverClear」(肝臓がんスクリーニング)、「CerviClear」(子宮頸がんスクリーニング)の長期商用化をめぐる不透明感から、永久成長率を4.5%から4.0%に下方修正。これに伴い目標株価を引き下げた。株価の先行きに対しては強気見通しを継続した。レーティング面での潜在リスク要因としては、「ColoClear」の予想外の低成長や大腸がんスクリーニング市場での競争激化などの可能性を挙げている。