利上げペースも速まるのか?!
それでは、FRBのタカ派姿勢はどの程度マーケットに織り込まれたのでしょうか。
5月の0.5%の利上げとQT開始はかなり織り込まれているとみられます。QTのペースが速くなるという材料は、先週のブレイナード理事の発言によって123円台から125円台に上昇したとみれば、材料としてはかなり織り込まれた可能性があり、この先、この材料での円安推進力は弱まることが予想されます。
0.5%の複数回の利上げ予想については、米金利先物市場ではFRBが年内の残り6回(5月、6月、7月、9月、11月、12月)のFOMCで、政策金利を2.5%以上に引き上げるとの予想が8割近くに達しています。これは0.5%の利上げが3回あることを織り込んだ水準で、マーケットもそのような反応を示しています。
それ以上のタカ派的な見方については、マーケットは冷静な反応をしているようです。例えば、セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は、7日、政策金利は下半期に3.5%に達する必要があると発言しました。
このことは年内の残り6回のFOMCで毎回0.5%の利上げが必要であることを示しているとも述べました。この発言はかなりタカ派的な内容ですが、タカ派過ぎてマーケットはまだ消化し切れていないようです。
今後、マーケットがさらに金利上昇とドル高に反応するとすれば、2.5%への利上げペースが速まるというシナリオが想定されます。例えば、5月、6月、7月のFOMCで連続して0.5%の利上げを行い、その内の1回が0.50%以上の利上げとなると、長期金利やドルは一段と上昇することが予想されます。
12日に発表された3月の米国CPI(消費者物価指数)は前年比+8.5%と前月(+7.9%)から加速しましたが、エネルギーと食品を除くコアCPIが前年比+6.5%と予想を下回ったため、米10年債金利は前日の2.77%台から2.72%台に低下しました。しかし、CPIの水準は約40年ぶりの伸びとなっており高止まりしています。
従ってインフレ抑制の早めの対応として5月に0.5%以上の利上げ、例えば、0.75%や1%の利上げというシナリオにも留意しておいた方がよいかもしれません。
今週は125円が2番天井になるのかどうか、あるいは130円へ向けた通過点として125円台を維持し、2015年の高値である125.86円近辺をブレイクしてくるのかどうかを注目したいと思います。ユーロで言えば、1.08を割れるのかどうか、あるいは1.08を下方にブレイクし1.05を目指す動きになるのかどうかを注目したいと思います。
今週発表の米CPI、PPI(生産者物価指数)を受けてドル高続行か、ドル高一服か注目です。