2022年1-3月期決算も堅調持続へ、EVコスト増も日系合弁2社がけん引

現地コード 銘柄名
02238

広州汽車集団

(グァンジョウ・オートモービル)

株価 情報種類

6.22HKD
(4/8現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 広州汽車集団の2022年1-3月の販売台数は前年同期比22.5%増と、業界全体をアウトパフォームした。BOCIは1-3月期決算について、特に合弁会社の広汽トヨタ、広汽ホンダが高めの利益成長を達成したとの見方。電気自動車(EV)シリーズ「Aion」のコスト増による同社全体の営業損失の拡大を見込みながらも、純利益は25億元に上向く見通しを示した。4-6月期にはコロナ再燃の影響で、国内全体で新車販売の低迷が予想されるが、従来型自動車メーカーの中では、同社の利益見通しは相対的に明確。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2022年3月の販売台数は前年同月比30.7%増の22万7,471台。合弁会社の広汽トヨタ、広汽ホンダが41.0%増の9万7,006台、21.5%増の7万6,833台と、予想を上回った。自社ブランドでは、「伝棋」(Trumpchi)が15.1%増の約3万台と予想通り。「Aion」は2万台超えを達成した。1-3月には全体で前年同期比22.5%増と、業界平均を上回る伸び。自社ブランドでは「Aion」が150%超、「伝棋」が20%超の伸びだった。

 BOCIは1-3月期決算について、広汽トヨタ、広汽ホンダの高めの利益成長を見込む。製品構成の優良化と売れ行き堅調が背景。両社は原材料高によるコスト増大圧力も相対的に低いという。自社ブランドではEVバッテリーの高騰で、「Aion」の損失が拡大する見込み。1-3月期の全体の営業損失は前年同期比で膨らむ半面、前期比では縮小すると予想し、純利益については25億元を見込む(前年同期は23億7,000万元)。

 2022年通期では、自主ブランド「Aion」の通期販売目標の25万台は十分達成可能。ただ、バッテリーなどの原材料高が痛手となり、赤字縮小には期待しにくいという。「Aion」を生産する広汽埃安新能源汽車(GAC Aion)は2023年にスピンオフ上場するとみられ、BOCIは当面、広州汽車集団が戦略的損失を受け入れるとの見方だ。「伝棋」に関しては2022年に売れ行き回復と稼働率の向上を予想し、採算性が改善するとみる。

 一方、広汽トヨタ、広汽ホンダの2022年通期の販売台数は100万台を超える見込み。新型モデルの投入で縮小傾向にあるICE車(ガソリン車など)市場をアウトパフォームするとみている。新エネルギー車(NEV)開発の点では遅れているが、NEVクレジットの要件を満たすため、両社ともに初の新開発EVモデルを下期に投入する予定という。不採算の広汽FC(フィアットクライスラー)では、外資側が持ち株比率を引き上げる計画。広州汽車集団にとっては赤字負担の軽減につながる。

 BOCIは2022年、2023年の予想純利益を1-4%小幅に増額修正し、90億元、97億元に設定した。現在株価は2022年予想PER(株価収益率)5.9倍と、ヒストリカル平均の9倍を下回る水準。利益見通しの相対的な明確さなどに言及した上で、目標株価(2022年予想PER8.5倍)を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。