3.南アフリカも3会合連続で利上げ

南アフリカは昨秋以来で3回利上げを実施している

 最後に南アフリカですが、2021年11月、南アフリカ準備銀行(中央銀行)は政策金利を3.50%から3.75%に引き上げました。そして、その後の金融政策決定会合でも利上げを継続し、2022年3月の利上げで3会合連続の利上げとなり、政策金利は4.25%となっています。

 なお、南ア中銀の利上げペースは今のところは1回あたり0.25%であり、ブラジルやメキシコのような利上げ加速は見られません。

 利上げを行った背景は、ブラジルやメキシコ同様に、過熱する経済や加速するインフレを抑え込むことが目的だと思います。そして、注目のマーケット動向ですが、図表3にあるように、利上げ開始後に通貨ランドや株価が上昇に転じています。

 ブラジルやメキシコと異なり、利上げ開始直後からリスクオンとなっているのは、資源国ゆえの資源高の影響が重なったというタイミングが大きいとは思いますが、ブラジルとメキシコで観測されたことをマーケットが学習済みで、利上げが長期的には正しい行動であることをマーケットが認めている可能性も高いと考えています。

 以上、米国よりもはるか以前に利上げに転じ、既に相当な幅と期間の利上げを実施した例を見てみましたが、利上げは必ずしもマーケットに良くないわけではないようです。

 もちろん、資源国ゆえの要因も大きいと思いますが、これらの国々の今後の動向と併せて、これからも先進国が利上げを続ける場合のヒントになればと考え、今回はこうした内容をまとめてみました。

[図表3]南アフリカの政策金利、通貨南アフリカランド、株式市場の推移

期間:2021年1月1日~2022年3月29日、日次
(出所)Bloombergを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
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