ロシアリスクを逆手に取る銘柄選択
ロシアは資源国で原油生産量でも有数の存在です。ロシアへの経済制裁でロシア産原油の禁輸を行う国がある中では、原油価格に注目が注がれます。
【1日当たり原油生産量ランキング】
- 米国:1,951万バレル/日量
- サウジアラビア:1,181万バレル/日量
- ロシア:1,149万バレル/日量
- カナダ:550万バレル/日量
- 中国:489万バレル/日量
(米エネルギー省2020年 / 国別生産量(1日当たりバレル数))
原油価格は歴史的な高値水準にあり、物価押し上げ要因(インフレ要因)となっています。これ以上の値上がりを抑えるため、米政府は過去最大の規模で石油備蓄の放出を実施すると発表、日本を含む他のIEA(国際エネルギー機関)加盟国も協調する方針です。
半面、OPEC(石油輸出国機構)とロシアなど非加盟の産油国でつくるOPECプラスは、3月31日の会合で、従来の供給増の維持を決め、米欧などが求めていた大規模増産は見送った格好です。
OPECプラス会合にはロシアも参加しており、産油国の足並みの乱れに対し危惧しているのかもしれません。
加えて、アルミニウム、ニッケル、チタン、白金族元素(とくにパラジウム)などロシアの存在感が大きい「非鉄金属」についても同様に価格上昇懸念が続いています。西側諸国によるロシアへの制裁が強化される中で、ロシア通貨ルーブル急落、モスクワ証券取引所取引停止などロシア経済は大混乱に陥りました。
今後も、ロシア産品が輸出できなくなる可能性や、ロシアが報復として禁輸を仕掛けてくる可能性もあります。
非鉄金属がさらに値上がりした場合は、悪影響を受ける企業が増えるため、逆に非鉄金属主力株や金属リサイクル株には追い風と判断される可能性もあります。非鉄金属株は、深掘りして注目しておきたいセクターではないでしょうか。