高値更新銘柄が目立ってきた
3月にかけての株価下落から足元ではだいぶ株価が反発してきましたが、個別銘柄をみると株価が上昇を続けるもの、逆に下落を続けるものとまちまちな動きです。
そんな中、高値更新となる銘柄も目立ってきました。高値更新といって一般的に思いつくのは「年初来高値更新」です。
これは、株価がその年の初めから本日までの間の高値を本日更新した銘柄という意味です。(1~3月までは、前年の初めから本日までの間の高値を更新した銘柄を「昨年来高値更新」と呼んでいます。)
この年初来高値更新銘柄の意味は、「今年の高値を更新したということは、まさに今株価が上昇をしている強い銘柄だ」ということです。
また、年初来高値更新銘柄の数の推移を追うことで、マーケット全体の強弱を感じ取ることができます。
筆者ももちろん年初来高値更新銘柄については継続的にウオッチしていますが、それ以上に注目しているものがあります。それが「上場来高値更新銘柄」です。
上場来高値更新銘柄とは?
上でご説明した年初来高値更新銘柄は、「今年の」高値を更新した銘柄です。ですから極端な話、昨年まで3年間ずっと下げ続けてきて、今年に入って少し反発しただけでも年初来高値更新、となるケースもあります。
しかし上場来高値更新銘柄は、まさにその銘柄が上場してからの何年、何十年の間の最高値をまさに本日更新した、というものですから重みが圧倒的に違います。
直近では、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)、三井物産(8031)、三菱商事(8058)といった大手商社株や、住友金属鉱山(5713)が上場来高値を更新しました。
ところが、多くの個人投資家は、このような高値更新銘柄を保有し続けることができていないことが多いようです。それは得てして心理的な要因によるものと考えられます。
株価が高くなると売りたくなる個人投資家の心理
皆さんは、保有している株の株価が上昇するとどのような気持ちになりますか? もちろんうれしい気持ちになるでしょうが、その一方で不安な気持ちにもなるのではないでしょうか?
「そろそろ売っておいた方が良いかなあ…」と。
そして実際、上昇を続けていた株価が少し下がってくると「ああ、きっと株価は天井をつけた! 早く売って利益を確定しておこう!!」と売却を実行します。
ところが、この「株価が上昇すると持ち株を売りたくなる」という心理こそが、個人投資家が大きな利益を得ることを難しくしている要因なのです。